十四代とは?
平成6年頃。当時、日本酒の世界では淡麗辛口の味わいがブームでした。
そんな中、流行りを無視するように、フルーティーで甘みのある大吟醸酒が登場。
意表を突き、しかも確かなクオリティを携えた日本酒に、ファンは次々と虜になっていったのです。
そう、その日本酒こそが「十四代」です。
穏やかな吟醸香と、まろやかな甘みがたちまち大ブレイク。
以来、全国の量販店や酒屋さんが、こぞって「十四代」を取り扱うようになったのです。
今では、日本酒ファンのみならず、その名を轟かせる「十四代」。
山形のプレミア銘柄として、揺るぎない地位を獲得しています。
名前の由来
どのようにして「十四代」が生まれたのかということですが、実は「十四代」という銘柄自体は、
高木 顕統氏が杜氏になる前からあったのです。
元々、特別な古酒にだけつけられていた「十四代」という名前。
由来は、十四代目当主「高木 辰五郎」氏が「十三代」「十四代」「十五代」「十六代」などを商標登録に出願したところ、
通常、数字は許可されないのですが、なぜか「十四代」だけが登録査定されたんだそうです。
やがて、蔵を引き継ぎ十五代目杜氏となった高木 顕統氏が、
杜氏として初めて完成した日本酒に「十四代」の名前を引き継がせました。
これが、皆さんに知られている「十四代」なのです。
本当は商標登録できないはずなのに、できてしまった「十四代」という名前。
少し数奇で、それでいて蔵の長い歴史を感じさせるこの名前には、
何か運命的なものを感じざるを得ませんね。