執筆:
買取むすび 編集部
【2025年】金の埋蔵量はどれくらい?各国のランキングと金価格の今後について解説
「金の埋蔵量はどれくらい?」
「日本にも金はある?」
このような疑問はありませんか?
金は古くから人類を魅了し、富と権力の象徴として扱われてきた歴史があり、現代でも世界中で採掘されています。しかし、地球に存在する金には限りがあるため、いずれ採掘できなくなる可能性が高いでしょう。
そのため、多くの人は残りの金はどれくらいあるのか疑問を抱くものです。
この記事では、最新の調査データをもとに、世界の金の埋蔵量・国別の埋蔵量ランキング・日本の金鉱山の現状について解説します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
金の埋蔵量はあとどれくらい?

米地質調査所(USGS)の報告によると、2024年末時点で採掘可能な金の埋蔵量は6万4,000トンとされています。
ただし「埋蔵量」とは、現在の技術で利益を出しながら掘り出せる金の量を指すものです。そのため、地中に眠るすべての金の量を示しているわけではありません。
例えば、金の採掘にかかるコストが減少し、より深いエリアの採掘が可能になれば、埋蔵量が増えると言えます。
また、AIを使った探査のような技術革新や新しい金鉱山の発見も埋蔵量を増やす要因となるでしょう。
参照:米地質調査所(USGS)「Mineral Commodity Summaries 2025」
金の埋蔵量・鉱山生産量が多い国ランキング
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金は世界中のあらゆるところで採取されている金属です。しかし、ほとんどの場合、採取できる量は多くありません。
日本でも採取できる場所がありますが、採れる金の量はわずかです。本章では、世界で金が多く埋蔵している国・採取されている国をランキング形式で紹介します。
- ・金の埋蔵量が多い国TOP5
- ・金の鉱山生産量が多い国TOP5
ひとつずつ見てみましょう。
金の埋蔵量が多い国TOP5
2024年度末時点における金の埋蔵量が多い国ランキングは以下のとおりです。
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金の埋蔵量が多い国TOP5
順位 国名 埋蔵量 1 オーストラリア 12,000トン ロシア 12,000トン 3 南アフリカ 5,000トン 4 インドネシア 3,600トン 5 カナダ 3,200トン
オーストラリアとロシアが世界をリードしています。この2カ国は2024年末のデータで、それぞれ1万2,000トンもの埋蔵量があると報告されました。
これは世界全体の埋蔵量の多くを占める量です。2カ国に続いて、南アフリカ・インドネシア・カナダでも多量の金が埋蔵されています。
参照:米地質調査所(USGS)「Mineral Commodity Summaries 2025」
金の鉱山生産量が多い国TOP5
2024年度末時点における金の鉱山生産量が多い国ランキングは以下のとおりです。
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金の鉱山生産量が多い国TOP5
順位 国名 年間産出量 1 中国 380トン 2 ロシア 310トン 3 オーストラリア 290トン 4 カナダ 200トン 5 アメリカ 160トン
金の年間生産量が最も多い国は、長年にわたり中国が首位を維持しています。続いてロシア・オーストラリアが上位を占めています。
かつて金の鉱山生産量が世界一だった南アフリカは順位を下げました。理由として考えられるのは、国内情勢の変化・採掘コストの上昇・採掘施設の老朽化が挙げられます。
この傾向から、技術力や国内情勢なども各国の生産量に大きく影響を与えることがうかがえます。
参照:米地質調査所(USGS)「Mineral Commodity Summaries 2025」
日本の金の埋蔵量と歴史

日本はかつて「黄金の国ジパング」と呼ばれ、世界でも有数の金産出国でした。金に関する歴史は古く、奈良時代にはすでに産出記録が残されています。
戦国時代に入ると、多くの武将が資金を確保するため金鉱山の開発を進めました。特に江戸時代の佐渡金山は最盛期を迎え、世界の約1割もの金を産出したといわれます。
しかし、明治時代以降は資源の枯渇や採掘コストの上昇などの問題に直面しました。結果、現在では一部を除き、ほとんどの金鉱山は閉山している状況です。
このように、日本には豊かな金の歴史がありますが、現在の国内における採掘量はごくわずかとなっています。
日本の有名な金鉱山

先述したとおり、日本にも金鉱山はありますが、アメリカや中国と比べると多くは採れません。日本にどのような金鉱山が存在しているのか有名な場所をいくつか見てみましょう。
- ・菱刈鉱山|鹿児島県
- ・佐渡金山(閉山)|新潟県
- ・鴻之舞金山(閉山)|北海道
ひとつずつ紹介します。
菱刈鉱山|鹿児島県
現在、日本で唯一商業規模で金を採掘しているのが鹿児島県にある菱刈鉱山(ひしかりこうざん)です。この鉱山は、世界的に見ても非常に質の高い金が採れることで知られています。
鉱石1トンあたりに含まれる金の量は平均約20グラムで、これは世界の主要鉱山の平均値(3~5グラム)を大きく上回る含有量です。
1985年の操業開始からこれまで、260トンを超える金を産出してきました。資源を大切に長く利用するため、年間の採掘量を調整するなどの取り組みも行われています。
約150トンの埋蔵量があるとされており、今後も日本の貴重な金資源を支え続けるでしょう。
佐渡金山(閉山)|新潟県
新潟県にある佐渡金山(さどきんざん)は、かつて日本の経済を支えた歴史的に重要な金山です。
江戸時代には幕府の財政を大きく支え、最盛期には世界の金産出量の約1割を占めるほど栄えました。1601年の開山から合計で約78トンの金がここで採掘されたといわれます。
資源が枯渇したため1989年に閉山しましたが、現在は歴史を体感できる観光施設として多くの人が訪れています。
日本の金の歴史を語る上で、佐渡金山は欠かせない存在といえるでしょう。
鴻之舞金山(閉山)|北海道
北海道にかつて存在した鴻之舞金山(こうのまいきんざん)は、「東洋一」と称されるほど大規模な金山でした。
理由は豊富な金の産出量にあり、佐渡金山に次ぐ量を誇っていたためです。日本の近代化を支えた重要な鉱山のひとつといえるでしょう。
採掘された金の総量は、約64トンにも上るといわれています。資源が枯渇したため1973年に閉山し、施設は撤去されましたが、今でも跡地を見ることが可能です。
金の埋蔵量はなぜわかるのか?

金の埋蔵量は、地質学的なデータと最新の科学技術を組み合わせて計算された推定値です。専門家がさまざまな方法で地中の様子を探り、金の存在を推測します。
例えば、重力や磁力の違いの測定・土や岩の成分の分析・地下水の調査などです。こうした地道な調査によって、金が含まれている可能性のある場所を見つけ出します。
近年は、人工衛星から地球を観測する技術も活用されるようになりました。さらにAIを使い、集めたデータを分析して地下の構造を立体的に再現することも可能です。
地道な作業と最先端の技術を駆使して、鉱脈の広がりや金の量を予測できるのです。
そして、見つかった鉱脈の中から現在の技術で掘り出せる範囲を特定します。過去のデータから鉱石に含まれる金の割合を算出し、それらを掛け合わせて埋蔵量を計算するのです。
導き出される数字はあくまで推定ですが、この推定値があるからこそ将来どれくらいの金が採掘できるか予測できるのです。
参照:米地質調査所(USGS)「Basic concepts in three-part quantitative assessments of undiscovered mineral resources」
金が枯渇する未来は訪れる?

天然の金鉱脈から採掘できる金は、いつか尽きる時が来るかもしれません。
金の埋蔵量である6万4,000トンに対し、年間の世界生産量は約3,600トンであり、現状のペースで採掘を続ければ18年で底が尽きる計算です。
しかし、金そのものが社会から完全になくなる可能性は極めて低いでしょう。理由は、金が石油などの資源とは異なり、使っても消滅しない資源のためです。
これまで採掘された金は、携帯電話やパソコンの内部など、形を変えながら地上に蓄積され続けています。
これらは「都市鉱山」と呼ばれ、リサイクルによる新たな供給元として活用されています。
特に日本は、約7,000トンもの金があると言われるほど都市鉱山が豊富に存在する国です。
このように、地上にある金をリサイクルする技術がある限り、金が完全に枯渇する心配は少ないといえます。
参照:ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)「ゴールド・デマンド・トレンド2024年通年および第4四半期」
実用化の可能性がある金の採取方法

金が採掘できるのは金鉱山や都市鉱山だけではありません。近年は以下の方法で金が採掘できるとされ、新しい供給元として期待されています。
- ・都市鉱山からの回収
- ・海底熱水鉱床からの採掘
- ・海水からの採取
- ・下水汚泥からの採取
それぞれ見てみましょう。
都市鉱山からの回収
先述したように、新たな金の供給源として、廃棄された電子機器から金を回収する「都市鉱山」が多くの注目を浴びています。
都市鉱山とは、使われなくなった携帯電話やパソコンの内部部品に含まれる貴金属です。
金鉱石1トンから採れる金はわずか5グラム程度ですが、携帯電話1トンからは150グラム以上もの金が回収できるといわれます。
天然の鉱石から金を採掘するよりも、はるかに効率よく金を取り出せるため、新たな供給元として多くの期待が寄せられています。
実際、2024年にはリサイクルによって得られた金の総量は約1,300トンにも上りました。
都市鉱山は、資源を未来へ繋ぐサステナブルな方法であり、環境への負担が少ない点も大きな利点といえるでしょう。
海底熱水鉱床からの採掘
新たな金の供給源として、海の底に眠る「海底熱水鉱床」が期待を集めています。
海底熱水鉱床とは、海底から噴き出す熱水に含まれる金属成分が海水で冷やされ、沈殿してできたものです。
日本の近海でも有望な鉱床が見つかっており、実用化に向けた研究が進められています。しかし、深い海の底から採掘するには高い技術力や莫大なコストが不可欠です。
また、深海の特殊な生態系への影響も懸念されるなど、解決すべき課題は少なくありません。
実用化はまだ先ですが、将来の金資源を支える大きな可能性を秘めているといえるでしょう。
海水からの採取
地球上の海水には膨大な量の金が含まれていると考えられています。しかし、現在の技術で海水から金を取り出すことは、非常に困難なのが現状です。
海水に溶けている金の濃度は極めて薄いため、採算が合わないためです。
理論上、海には50億トンもの金が存在すると計算されますが、1トンの海水から得られる量はごくわずかでしょう。
そのため、商業ベースで採掘するのは現実的ではありません。もし将来、効率的に金を抽出できる画期的な技術が開発されれば、海水が新たな金の供給源になる可能性はあります。
参照:地質調査総合センター「地質ニュース」
下水汚泥からの採取
生活から出る下水汚泥も未来の金資源として期待されています。工場排水や日用品には微量の金が含まれており、下水処理の過程で汚泥の中に濃縮されるためです。
実際にスイスで行われた調査では、国内の処理場から年間約43kgの金が回収可能だと推計されました。
日本でも、横浜市が汚泥を売却するなど、資源として活用する動きが始まっています。
まだ大規模な実用化には至っていませんが、下水汚泥は都市鉱山と同じように、将来の貴重な金の供給源となる可能性を秘めているでしょう。
参照:
Eawag「Swiss Federal Institute of Aquatic Science and Technology」
日本経済新聞「横浜市、工場排水汚泥を販売 貴金属を含有」
金の価値は今後どうなる?

金の価値は、長期的に見れば今後も高まっていく可能性が高いと考えられています。地球から採掘できる金の量には限りがあり、希少価値は年々上昇しているためです。
また、世界情勢が不安定になると、価値の変動が少ない「安全資産」として金の需要が高まる傾向にあります。
新しい金鉱脈の発見がなければ、現在のペースではあと18年程度で埋蔵量が尽きるとの試算も出ています。
リサイクルによって一定量は供給されますが、需要の増加に完全には追いつかないと想定されており、金の価値は下がりにくいと考えられているのです。
しかし、新しい金鉱床の発見・技術の進歩などにより、金の供給量が増加したり、需要量が減少する可能性も考えられます。
そのため、金の売買の判断は慎重になることをおすすめします。
金を高く売る3つのコツ

金を売る際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- ・定期的に買取相場をチェックする
- ・複数の買取業者に査定依頼する
- ・まとめて売る
上記のポイントを押さえておけば、買取価格が高くなる可能性があります。ひとつずつ見てみましょう。
定期的に買取相場をチェックする
金の価格は世界の経済や情勢によって常に変動しているため、少しでも高く売却したいなら買取相場を日頃から確認することが大切です。
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最高値のタイミングを正確に予測するのは専門家でも困難です。そのため、ご自身が納得できる価格の時に査定へ出すことをおすすめします。
複数の買取業者に査定依頼する
複数の買取業者に査定を依頼することも大切です。同じ金製品でも業者によって手数料や査定の基準が異なります。
鑑定士の専門知識や、業者が持つ販売先の違いなども買取価格に影響を与えるでしょう。
いくつかの業者から見積もりを取ることで、一番高い価格を提示してくれたお店を選べます。
納得のいく価格で売却するためにも、ぜひ複数の買取業者を比較検討してみてください。
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まとめて売る
金を売却する際は、他の不要品もまとめて査定に出すことをおすすめします。買取業者によっては、複数の品物を一度に査定に出せば買取価格が上乗せされるためです。
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査定方法は、店頭買取・出張買取・宅配買取からお選びいただけます。ぜひご都合の良い方法で『買取むすび』をお試しください。
【Q&A】金の埋蔵量に関するよくある質問

金の埋蔵量に関するよくある質問を紹介します。
- Q.日本は金の埋蔵量世界一?
- Q.金はあと何年でなくなりますか?
- Q.なぜ金は作れないのか?
ひとつずつ回答します。
Q.日本は金の埋蔵量世界一?
A.日本の金の埋蔵量は世界一ではありません。
しかし、廃棄された電子機器などに含まれる「都市鉱山」の資源量は世界有数といわれています。このため、日本は資源大国として大きな可能性を秘めているといえるでしょう。
Q.金はあと何年でなくなりますか?
A.現在のペースで採掘を続けると、あと18年程度で採掘可能な金がなくなるとの試算があります。
しかし、これはあくまで現在の技術で利益を出して掘れる「埋蔵量」に限った話です。金は使ってもなくならず、地上にある宝飾品や電子機器からリサイクルできます。
そのため、鉱山から金が採れなくなっても、金そのものが社会から完全に枯渇する可能性は極めて低いでしょう。
Q.なぜ金は作れないのか?
A.現在の技術で金を作るには莫大なコストがかかり、採算が合わないため現実的ではありません。
金を生み出すには、星が爆発するほどの巨大なエネルギーで原子核を変化させる必要があります。
さらに、金を作り出す設備・施設も必要になるため、人工の金は不可能と言われています。
まとめ:金の埋蔵量には限りがあるが枯渇する可能性は低い

金が社会からなくなることはありませんが、何かが原因で金価格が下がる可能性はあり得る話です。
そのため、高騰している今のうちに金を売却するのも賢明な判断と言えるでしょう。金の売却を考えているなら、ぜひ『買取むすび』の無料査定をお試しください。



