【季節ごと】茶道におすすめの掛軸|言葉の意味や季節を問わず使用できる掛け軸を紹介

「茶道におすすめの掛軸が知りたい」
「季節ごとのおすすめの掛軸はどれ?」
このように考えていませんか?
掛軸には絵が描かれていたり文字が書かれていたりと、種類が豊富にあります。好みの掛軸をかけるのも良いのですが、季節や意味を考慮して選べば部屋をより格式高い雰囲気にしてくれるでしょう。
特に、茶道において掛軸は重要なアイテムです。この記事では、おすすめの掛軸を季節ごとに紹介します。掛け替えを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
茶道で掛軸(茶掛)をかける意味
茶室の床の間に飾られる掛軸は「茶掛」と呼ばれ、茶席の趣旨や亭主の思いを伝える大切な役割を担います。
また、茶掛は季節を表現する役割も果たします。四季折々の風物や情景を描いた書が使われ、茶室に訪れた人々に移り変わる自然の美しさを感じさせるのです。
歴史的に有名な茶人「千利休」は掛軸の重要性を説き「掛物ほど第一の道具はなし」と述べました。茶道において、掛軸は単なる装飾ではなく、茶席の核となる存在と言っても過言ではないでしょう。
茶道における掛軸(茶掛)の種類
茶道で用いられる掛軸には、大きく分けて「古筆(こひつ)」と「墨跡(ぼくせき)」の二種類があります。「古筆」は平安時代から鎌倉時代にかけて書かれた仮名文字の作品で、和歌を抜粋したものが多い傾向です。
一方「墨跡」は禅僧が修行を通じて得た悟りや境地を表現した書であり、茶道において好まれています。茶室に飾られた掛軸の言葉は、ただの装飾ではなく茶席の空気をつくる要素のひとつです。
亭主の心を映し、客人に深い思いを伝える道具のため、よく考慮して言葉を選ばなくてはなりません。
春|1・2・3月に合う掛軸(茶掛)
茶道における掛軸は、季節感を表す道具として使われているため、掛軸の言葉が季節に合っているかが重要視されます。
本章以降では、それぞれの季節(二十四節気)に合うおすすめの禅語を3つずつ紹介します。春に合うおすすめの掛軸は以下のとおりです。
- ・松樹千年翠
- ・桃花笑春風
- ・春光日々新
ひとつずつ意味を解説します。
松樹千年翠
松樹千年翠(しょうじゅせんねんのみどり)は、中国の禅宗の書『続伝灯録』に記された言葉です。意味は「松の木は千年経っても風雪に耐え、変わらぬ緑を保つ」というもの。
厳しい環境でも力強く生きる松は長寿や不変の象徴とされ、茶道においても縁起の良い言葉として親しまれています。また、祝いの場でも「松寿千年翠」と表記されることもあります。
春の訪れとともに、新たな生命力を感じさせる言葉として、茶席にふさわしい掛軸の一つです。
桃花笑春風
桃花笑春風(とうかしゅんぷうにえむ)は、中国唐代の詩人「崔護(さいご)」が詠んだ『人面桃花』の一節です。
「桃の花は春風を受け、まるで微笑むように咲いている」という意味を持ち、移ろいゆく人の世とは対照的に、変わらず花を咲かせる桃の姿が無常観を感じさせます。
また、この言葉は「どんなに困難があっても、やがて春は訪れる」という前向きな解釈もできます。厳しい冬を越え、新たな季節の始まりを象徴する掛軸として茶席にふさわしいといえるでしょう。
春光日々新
春光日々新(しゅんこうひびあらたなり)は「春の光景は日ごとに変わり、毎日が新鮮な輝きに満ちている」という意味を持つ言葉です。
出典は明確ではありませんが、春の息吹や生命の躍動を感じさせる表現として親しまれています。
春は、昨日と同じように見えても、少しずつ変化を遂げる季節です。冬の名残を残しながらも、日に日に温かさが増し、草木が芽吹き新しい命が生まれていきます。
そんな春の移ろいを茶席で表現するのにふさわしい掛軸といえるでしょう。
夏|4・5・6月に合う掛軸(茶掛)
夏に合う掛軸は以下のとおりです。
- ・一華開五葉
- ・山是山水是水
- ・薫風自南来
ひとつずつ解説します。
一華開五葉
一華開五葉(いっかごようをひらく)は、禅宗の祖である達磨大師(だるまだいし)の言葉です。
「一輪の花が五つの花弁を開き、やがて実を結ぶ」という意味を持ち、悟りの道が広がり、深まっていくことを象徴しています。夏の茶席に飾ることで、成長と成熟を感じさせる趣のある掛軸となるでしょう。
山是山水是水
山是山水是水(やまはこれやまみずはこれみず)は「山は山、水は水であり、それぞれ異なるものが調和しながら自然を形成している」という意味を持つ言葉です。
そこから転じて、「自分は自分でありのままでよい」といった自己肯定の意味として解釈されています。
自然のあるがままの姿を受け入れることは、茶道の精神にも通じるものです。夏の茶席では、山や水の景色を想起させるこの言葉が、爽やかさや涼しさを演出できるでしょう。
薫風自南来
薫風自南来(くんぷうみなみよりきたる)は「南から吹く爽やかな風が、暑さの中に清涼感をもたらす」という意味を持つ言葉です。
夏の暑さが続くなかで、ふと吹く風が心地よさを運んでくる情景を表現しています。薫風自南来は、唐の詩人である柳公権(りゅうこうけん)が皇帝の詩に続けて詠んだものとされています。
床の間に掛ければ、一瞬の風が暑さとともに煩わしさやわだかまりなど、すべてを洗い流し、清涼感を得られるかもしれません。
秋|7・8・9月に合う掛軸(茶掛)
秋に合う掛軸は以下のとおりです。
- ・夏雲多奇峰
- ・清風明月
- ・心静即身涼
ひとつずつ解説します。
夏雲多奇峰
夏雲多奇峰(かうんきほうおおし)は、陶淵明(とうえんめい)の『四時の詩』から取られた言葉で「夏の空に浮かぶ雲が高く立ち並び、奇妙な山々がそびえているように見える」という意味です。
夏の空に広がる雲の雄大な景色を描いた表現であり、力強さと壮大さを感じさせます。この言葉は、夏の自然の美しさを表現したもので、茶席でもその壮麗さを感じさせてくれる掛軸となるでしょう。
清風明月
清風明月(せいふうめいげつ)は、蘇軾(そしょく)の『前赤壁賦』に登場する言葉で「月明かりが照らす静かな夜に吹く清らかな風」という情景を描いています。
夜空の清涼感と静寂さが心に落ち着きを与え、秋の深まる季節にぴったりの表現です。穏やかな風と月の光が織りなす美しい風景を表し、のどかで穏やかな雰囲気を演出してくれます。
心静即身涼
心静即身涼(こころしずかなればすなわちみずすずし)は、心が穏やかであれば、体も涼しく感じるという意味の禅語です。
この掛軸は、暑さが厳しい時期に心を静めることで涼しさを感じられると教えてくれます。冷房のない茶室でも、心の落ち着きを大切にすることで涼を得られることを思い起こさせてくれる言葉です。
冬|10・11・12月に合う掛軸(茶掛)
冬に合う掛軸は以下のとおりです。
- ・紅葉山川満
- ・吾心似秋月
- ・歳月不待人
ひとつずつ見てみましょう。
紅葉山川満
「紅葉山川満(こうようさんせんにみつ)」は、山々や川に紅葉が広がる美しい光景を表現した言葉です。
紅葉が一面に広がる様子を思わせるこの掛軸を選べば、茶室の季節感を深め、秋の名残を感じさせる美しい空間となるでしょう。
吾心似秋月
「吾心似秋月(わがここあきづきににたり)」は、寒山詩の一節で、心が中秋の名月のように澄んでいることを表現しています。
掛軸に選ぶことで、心の穏やかさや冷静さを感じさせる一品となります。
歳月不待人
「歳月不待人(さいげつひとをまたず)」は、陶淵明の詩の一節で時間は待ってくれないという意味です。
限りある時間を無駄にせず、今を大切に生きることを教えてくれます。掛け軸に書かれることで、時間の貴重さを改めて確認させられます。
特に冬の静かな時期に心に響く言葉として、多くの茶席で使用される禅語です。
月別|掛軸におすすめの禅語
紹介した禅語のほかにも、さまざまな言葉が存在します。下表で季節ごとの禅語を紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
-
1月
- 彩鳳舞丹霄(さいほうたんしょうにまう)
- 日出乾坤輝(ひいでてけんこんかがやく)
- 寿山青不老(じゅざんあおくしておいず)
- 福寿海無量(ふくじゅかいむりょう)
- 万歳緑毛亀(ばんざいりょくもうのかめ)
- 無事是貴人(ぶじこれきにん)
- 慶雲五彩生(けいうんごさいをしょうず)
- 山呼万歳聲(やまはよぶばんざいのこえ)
- 寿山万丈高(じゅざんばんじょうたかし)
- 松樹千年翠(しょうじゅせんねんのみどり)
- 瑞気満高堂(ずいきこうどうにみつ)
- 青松多寿色(せいしょうじゅしょくおおし)
- 春入千林処々花(はるはせんりんにいるしょしょのはな)
- 万物生光輝(ばんぶつこうきをしょうず)
- 日出海天清(ひいでてかいてんきよし)
- 和気兆豊年(わきほうねんをきざす)
-
2月
- 春光日々新(しゅんこうひびあらた)
- 春来草自生(はるきたらばくさおのずからしょうず)
- 陽春布徳澤(ようしゅんにとくたくをしく)
- 花知一様春(はなはしるいちようのはる)
- 花閑鳥自啼(はなしずかにとりおのずからなく)
- 春入千林処々鴬(はるいりせんりんしょしょにうぐいす)
- 花枝自短長(かしおのずからじたんちょう)
- 暗香浮動月黄昏(あんこうふどうつきこううん)
- 笠重呉天雪(かさはおもしごてんのゆき)
- 紅炉一点雪(こうろいってんのゆき)
- 梅花和雪香(ばいかゆきにてわしてかんばし)
- 雪消山骨露(ゆききえてさんこつあらわる)
- 和気兆豊年(わきほうねんをきざす)
-
3月
- 春色無高下(しゅんしょくこうげなし)
- 春水満四沢(しゅんすいしたくにみつ)
- 花開萬国春(はなひらいてばんこくのはる)
- 清風動脩竹(せいふうしゅうちくをうごかす)
- 桃花笑春風(とうかしゅんぷうをえむ)
- 桃花千歳春(とうかせんざいのはる)
- 花鳥風月宿(かちょうふうげつのやど)
- 百花春至(ひゃっかはるにいたる)
- 一花開天下春(いっかひらいててんかはるなり)
- 閑眠高臥対青山(かんみんこうがせいざんにたいす)
- 春風吹又生(しゅんぷうふいてまたしょうず)
- 池塘生春草(ちどうしゅうそうしょうず)
- 桃花依旧笑春風(とうかきゅうによってしゅんぷうにえむ)
- 弄花香満衣(はなをろうすればかおりころもにみつ)
- 微風吹幽松(びふうゆうしょうをふく)
- 百花春至為誰開(ひゃっかはるいたってたがためにかひらく)
- 柳緑花紅(やなぎはみどりはなはくれない)
- 野老拈花万国春(やろうはなをねんずばんこくのはる)
-
4月
- 一華開五葉(いっかごようにひらく)
- 山花開似錦(さんかひらいてにしきににたり)
- 柳緑花紅(やなぎはみどりはなはくれない)
- 千里春如錦(せんりのはるにしきのごとく)
- 桜花無尽蔵(おうかむじんぞう)
- 桜花微笑春(おうかびしょうのはる)
- 春眠落日遅(しゅんみんらくじつおそし)
- 悠然見南山(ゆうぜんとしてなんざんをみる)
- 幾片落花随水去(いくへんのらっかみずにしたがってさる)
- 一花開天下春(いっかひらいててんかはるなり)
- 花枝自短長(かしおのずからたんちょう)
- 風暖鳥声砕(かぜあたたかにしてちょうせいくだく)
- 春色無高下(しゅんしょくこうげなし)
- 洞中春色人難見(どうちゅうのしゅんしょくひとみがたし)
- 拈華微笑(ねんげみしょう)
- 弄花香満衣(はなをろうすればかおりころもにみつ)
- 春入千林処々花(はるはせんりんにいるしょしょのはな)
- 落花有意随流水(らっかいあってりゅうすいにしたがう)
- 落花随流水(らっかりゅうすいにしたがう)
- 柳緑花紅(やなぎはみどりはなはくれない)
- 梨花一枝春(りかいっしのはる)
-
5月
- 薫風自南来(くんぷうおのずからみなみよりきたる)
- 白雲自去来(はくうんおのずからきょらいす)
- 白雲起峰頂(はくうんほうちょうにおこる)
- 江上数峰青(こうじょうすうほうあおし)
- 青山緑水(せいざんりょくすい)
- 颯々声(さつさつのこえ)
- 幽鳥弄真如(ゆうちょうしんにょをろうす)
- 開径待佳賓(みちをひらきてかひんをまつ)
- 吟風一様松(かぜにぎんずいちようのまつ)
- 澗水湛如藍(かんすいたたえてあいのごとし)
- 疎影横斜水清浅(そえいおうしゃみずせいせん)
- 殿閣生微涼(でんかくびりょうをしょうず)
- 山青花欲然(やまあおくしてはなもえんとほっす)
-
6月
- 雲収山岳青(くもおさまりてさんがくあおし)
- 竹有上下節(たけにじょうげのふしあり)
- 山是山水是水(やまこれやまみずこれみず)
- 水上青々翠(すいじょうせいせいたるみどり)
- 白雲流水清(はくうんりゅうすいきよし)
- 涼風入草堂(りょうふうそうどうにいる)
- 水滴々(みずてきてき)
- 坐看雲起時(ざしてはみるくものごとし)
- 一滴潤乾坤(いってきけんこんをうるおす)
- 雲消山岳露(くもきえてさんがくあらわる)
- 雲無心而出岫(くもむしんにしてしゅうをいず)
- 遠山無限碧層層(えんざんかぎりなきへきそうそう)
- 結果自然成(けっかじねんになる)
- 行到水窮処(ゆいてはいたるみずのきわまるところ)
- 天際日上月下(てんさいひのぼりつきくだる)
-
7月
- 雲悠々水潺々(くもゆうゆうみずせんせん)
- 夏雲多奇峰(かうんきほうおおし)
- 青山元不動(せいざんもとふどう)
- 清流無間断(せいりゅうかんだんなし)
- 流水無間断(りゅうすいかんだんなし)
- 白雲抱幽石(はくうんゆうせきをいだく)
- 曹源一滴水(そうげんのいってきすい)
- 竹葉々起清風(たけようようせいふうをおこす)
- 一口吸尽西江水(いっくにきゅうじんすせいこうのみず)
- 江上数峰青(こうじょうすうほうあおし)
- 直透万重関(じきにばんちょうのかんをとおる)
- 滅却心頭火自涼(しんとうめっきゃくすればひもおのずからすずし)
- 清寥寥(せいりょうりょう)
- 不住青霄裡(せいしょうりにとどまらず)
- 曹源一滴水(そうげんのいってきすい)
- 泣露千般草(つゆになくせんぱんのくさ)
- 白的的(はくてきてき)
-
8月
- 澗水湛如藍(かんすいたたえてあいのごとし)
- 行雲流水(こううんりゅうすい)
- 独坐大雄峰(どくざだいゆうほう)
- 瀧直下三千丈(たきちょっかさんぜんじょう)
- 一雨潤千山(いちうせんざんをうるおす)
- 万里無片雲(ばんりへんうんなし)
- 鉄船水上浮(てっせんすいじょうにうかぶ)
- 心静即身涼(こころしずかなればすなわちみすずし)
- 銀椀裏盛雪(ぎんわんりにゆきをもる)
- 渓声便是広長舌(けいせいすなわちこれこうぜつちょう)
- 深雲古寺鐘(しんうんこじのかね)
- 独坐大雄峰(どくざだいゆうほう)
- 白雲自去来(はくうんおのずからきょらい)
- 白雲起峰頂(はくうんほうちょうにおこる)
- 白雲抱幽石(はくうんゆうせきをいだく)
- 山是山水是水(やまこれやまみずこれみず)
- 流水寒山路(りゅうすいかんざんのみち)
-
9月
- 掬水月在手(みずをすくえばつきはてにあり)
- 昨夜一声雁(さくやいっせいのかり)
- 西風一陣来(せいふういちじんきたる)
- 清風明月(せいふうめいげつ)
- 寿山万丈高(じゅざんばんじょうにたかし)
- 明歴々露堂々(めいれきれきろどうどう)
- 秋月揚明輝(しゅうげつめいきをあぐ)
- 雲出洞中明(くもいでてどうちゅうあきらかなり)
- 江月照松風吹(こうげつてらしてしょうふうふく)
- 采菊東籬下(きくをとるとおりのもと)
- 山雲海月情(さいうんかいげつのじょう)
- 山色豈非清浄身(さんしょくあにしょうじんしんにあらんざや)
- 清風払明月(せいふうめいげつをはらう)
- 体露金風(たいろきんぷう)
- 月白風清(つきしろかぜきよし)
- 月落不離天(つきおちててんをはなれず)
- 八風吹不動(はっぷうふけどもどうせず)
- 万里無片雲(ばんりへんうんなし)
- 水和明月流(みずはめいげつにわしてながる)
- 明月清風共一家(めいげつせいふうともにいっか)
- 悠然見南山(ゆうぜんとしてなんざんをみる)
-
10月
- 清風万里秋(せいふうばんりのあき)
- 風光日々新(ふうこうひびあらた)
- 明月上孤峰(めいげつこほうにのぼる)
- 山高月上遅(やまたかくしてつきののぼることおそし)
- 一粒万々倍(いちりゅうまんまんばい)
- 紅葉舞秋風(こうようしゅうふうにまう)
- 吾心似秋月(わがこころしゅうげつににたり)
- 不老門前日月遅(ふろうもんぜんにちげつおそし)
- 海月澄無影(かいげつすんでかげなし)
- 采菊東籬下(きくをとるとうりのもと)
- 金風吹玉管(きんぷうぎょくかんをふく)
- 結果自然成(けっかじねんになる)
- 江月照松風吹(こうげつてらしてしょうふうふく)
- 山雲海月情(さいうんかいげつのじょう)
- 白馬入蘆花(はくばろかにいる)
- 万里無片雲(ばんりへんうんなし)
- 碧潭清皎潔(へきたんきよくしてこうけつたり)
- 明月上孤峰(めいげつこほうにのぼる)
- 悠然見南山(ゆうぜんとしてなんざんをみる)
-
11月
- 壺中日月長(こちゅうにちげつながし)
- 千秋万歳楽(せんしゅうばんざいらく)
- 開門落葉多(もんをひらけばらくようおおし)
- 吟風一様松(かぜにぎんずいちようのまつ)
- 室閑茶味清(しつかんにしてちゃみすがし)
- 紅葉山川満(こうようさんせんにみつ)
- 経霜楓葉紅(しもをへてふうようあかし)
- 瑞気満高堂(ずいきこうどうにみつ)
- 聴雨寒更尽(あめをきいてかんこうつく)
- 寒雲抱幽石(かんうんゆうせきをいだく)
- 閑坐聴松風(かんざしてしょうふうをきく)
- 檻前山深水寒(かんぜんやまふかくしてみずさむし)
- 渓辺掃葉夕陽僧(けいへんにはをはくせきようのそう)
- 深雲古寺鐘(しんうんこじのかね)
- 霜月照清池(そうげつせいちをてらす)
- 松無古今色(まつにここんのいろなし)
-
12月
- 看々臘月尽(みよみよろうげつをつくす)
- 歳月不待人(さいげつひとをまたず)
- 閑南北東西活路通(かんなんぼくとうざいかつろにつうず)
- 冬嶺孤松秀(とうれいこしょうひいず)
- 三冬枯木花(さんとうこぼくのはな)
- 目出度千秋楽(めでたくせんしゅうらく)
- 紅炉一点雪(こうろいってんのゆき)
- 銀碗裡盛雪(ぎんわんりにゆきをもる)
- 寒松一色千年別(かんじょういっしきせんべつなり)
- 三冬鉄樹満林花(さんとうてつじゅまんりんのはな)
- 庭寒月色深(にわさむくしてげっしょくふかし)
- 無事是貴人(ぶじこれきにん)
- 本来無一物(ほんらいむいちもつ)
- 無(む)
- 臘月扇子(ろうげつのせんす)
- 臘雪連天白(ろうせつてんにつらなってしろし)
季節を問わずにかけられる掛軸(茶掛)
禅語の中には、季節を問わず使われる言葉があり、掛軸としても使われています。季節を問わずに使われる禅語は以下のとおりです。
- ・一期一会
- ・和敬静寂
- ・喫茶去
- ・円相
- ・日日是好日
ひとつずつ解説します。
一期一会
一期一会は、茶道における重要な言葉で、千利休の弟子、山上宗二(やまのうえのそうじ)の『山上宗二記』に由来しています。
茶会が一生に一度の貴重な出会いであり、二度と同じ会はないという意識を持つことの教えを説いた言葉です。そのため、亭主と客は共に誠意を尽くし、心を込めて接することが求められます。
「一期一会」という言葉は、無駄な瞬間がないことを感じさせ、時間の大切さを改めて認識させてくれるでしょう。
和敬静寂
和敬静寂(わけいせいじゃく)は、千利休が提唱した茶道の精神を表す言葉で、茶席における理想的な心構えを示しています。
この言葉は、亭主と客が互いに心を和らげ、敬意を持って接することを大切にし、茶室の物品だけでなく心も清らかであるべきだという教えです。
茶道には細かなルールやマナーが存在しますが、本質はそのような形式を超えて、心と心の交流を深めることにあります。
掛軸に「和敬静寂」が書かれていると、お茶席での重要な心構えを再認識させてくれるでしょう。
喫茶去
喫茶去(きっさこ)は「お茶をおあがりなさい」という温かい招待の意味が込められており、中国の禅僧、趙州禅師(じょうしゅうぜんし)が二人の訪問者に対して使った言葉です。
単に「茶を飲んで去れ」といった意味ではなく「リラックスしてお茶を楽しんでください」というおもてなしの心を表現しています。
お茶席に「喫茶去」を掛ければ、客にくつろぎのひとときを提供する気持ちが伝わるでしょう。
円相
円相(えんそう)は、禅における悟りの象徴として、一筆で描かれた円を意味します。円は、始まりも終わりもない形で、悟りや宇宙を表現した言葉です。
また、円は「福徳円満の相」とも解釈され、幸福や満ち足りた状態を象徴します。
円を見つめることで、見る人それぞれが心の中に感じるものが異なり、心の調和に一役買ってくれるでしょう。
日日是好日
日日是好日(ひびこれこうじつにちにちこれこうじつ)は、禅僧・雲門文偃(うんもんぶんえん)の言葉です。この言葉には2つの解釈があります。
1つは「毎日が大切な日であるべきだ」という意味で、もう1つは「その日に起こった出来事の良し悪しに関わらず、その日を良い日として受け入れる」というものです。
どちらにしても、日々を一生懸命に生き、心の平穏を保ちながら過ごすことの重要性が伝わってきます。
悩み事に直面したときや浮かれているとき、どちらの場合でもこの言葉は心を落ち着け、物事を前向きに捉えるきっかけとなります。
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