江戸切子の歴史をわかりやすく解説!資産価値が高い理由も解説

「江戸切子の歴史をわかりやすく知りたい」
「江戸切子の特徴を知りたい」
このように考えていませんか。
江戸切子は、職人が手作業で作る伝統工芸品で、美しい文様が、多くの人に愛されています。江戸時代後期に誕生して以降、190年以上の年月が流れています。歴史を詳しく知りたい方もいるでしょう。
本記事では、江戸切子の歴史や特徴を紹介します。歴史を細かく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
伝統工芸品である江戸切子とは
江戸切子とは、江戸時代後期に誕生した日本の伝統工芸品です。ガラスの表面に繊細で美しいカットが施されることで、光に照らされると独特の美しい文様が映し出されます。
江戸切子には、無色透明な「透きガラス」と外側に色ガラス、内側に無色透明なガラスを被せる「色被せガラス」の2種類があります。職人の手作業によって一つひとつ丁寧に作られる江戸切子は、現代でも高級な食器や贈答品として人気があるのです。
江戸切子の歴史
ここからは、江戸切子の歴史をわかりやすくご紹介します。
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江戸切子の歴史
時代
出来事
1834年
江戸・大伝馬町のビードロ屋「加賀屋久兵衛」が金剛砂を使ってガラスに彫刻を施したのが江戸切子誕生のきっかけ
1873年
日本初の洋式ガラス工場「品川興業社硝子製造所」が誕生
1881年
カット・ガラス技術の向上のため英国の技師『エマニエル・ホープトマン』が来日。現代に残るガラス技法が伝えられる
1985年
東京都の「伝統的工芸品産業」に指定
2002年
国の「伝統的工芸品」に指定
江戸切子は、1834年に江戸・大伝馬町のビードロ屋「加賀屋久兵衛」がガラスに彫刻を施したのが始まりとされています。
その後、板ガラス・ガラス瓶の需要の増加に伴い、日本初のガラス工場「品川興業社硝子製造所」も開設されました。
ガラス彫刻は、当初は簡単な文様でしたが、明治時代に英国からカット・ガラスの技術向上を目的とし来日した『エマニエル・ホープトマン』により西洋のカットグラス技術が伝わると、より精密で華やかな文様が生まれていきます。
大正時代になると、カットガラスに使用するガラス素材の研究が行われ、クリスタルガラスの研磨の技法が開発されました。
昭和以降には職人による技術がさらに磨かれ、大正から昭和にかけては工芸ガラスといえば「カットガラス」といわれるほど発展を遂げて、第一次の全盛時代を迎えました。
1985年に東京都の伝統的工芸品産業、2002年には国の伝統的工芸品にも指定されています。
参照元:伝統工芸江戸切子協同組合
参照元:東京都産業労働局
江戸切子の魅力
江戸切子は、熟練の職人が作り出す日本の伝統工芸品です。
芸能人とコラボレーションした作品も登場しており、例えば、女優の黒柳徹子さんの世界観を表現した江戸切子は、職人の信念が伝わるものでありました。
参考:江戸切子.jp
ここからは、江戸切子の魅力について解説します。
- ・美しい文様と光
- ・資産価値が高い
それぞれ見ていきましょう。
美しい文様と光
江戸切子は、熟練の職人が手作業で施す繊細なカットにより、光を美しく反射させるガラス工芸品です。
文様が光を受けて輝く様子は、万華鏡のような美しさを放ち、見る者を魅了します。
また、カットの深さや角度を変えることで、新しい文様を生み出しているのです。
代表的な文様には、長寿や不老不死の象徴とされる「菊繋ぎ」や、子孫繁栄を象徴する「魚子」などがあります。
資産価値が高い
江戸切子は、熟練の職人による手作業で制作されるため、一つひとつが唯一無二の作品です。
伝統的な文様や限定生産の作品は希少価値が高く、資産としての価値も認められています。
また、長年にわたり愛用できる耐久性も備えており、世代を超えて受け継がれる工芸品として評価されているのです。
精緻な技術と美しさから、高級な贈答品やコレクションアイテムとしても人気があります。
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江戸切子の作り方
江戸切子の制作は、いくつかの工程を経て行われます。
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江戸切子の制作工程
1.割り出し
ガラスに油性ペンでガイドラインを引く
2.粗摺り
ダイヤモンドホイールを用いて大まかなカットを実施
3.三番掛け
細部のカットを行い、文様を精緻に仕上げる
4.石掛け
表面を滑らかにする
5.磨き・バフ掛け
ガラス本来の輝きを引き出す
これらの工程を通じて、江戸切子特有の美しい文様と光の反射が生まれます。
江戸切子のデザイン
江戸切子は、繊細なカット技術で無数の文様が存在します。なかでも以下は、江戸切子でよく見られる伝統的な文様です。ここではそれぞれの特徴を紹介します。
- ・菊繋ぎ(きくつなぎ)
- ・八角籠目(はっかくかごめ)
- ・六角籠目(ろっかくかごめ)
- ・矢来(やらい)
- ・亀甲(きっこう)
- ・麻の葉(あさのは)
- ・七宝(しっぽう)
- ・蜘蛛の巣(くものす)
- ・市松(いちまつ)
- ・魚子(ななこ)
- ・菊花(きっか)
- ・菊籠目(きくかごめ)
- ・霰文(あられもん)
それぞれ見ていきましょう。
菊繋ぎ(きくつなぎ)
菊繋ぎは、規則正しく並ぶカットがまるで菊の花を連想させることからその名が付けられました。長寿や不老不死の象徴とされています。
カットが繊細で光を受けた際の反射が美しく、見る角度によって表情を変えるのも魅力のひとつです。
八角籠目(はっかくかごめ)
八角籠目は、江戸切子の代表的な文様の一つで、竹籠の網目をモチーフとしており、カットした線同士が八角形になっている特徴があります。
光が八方へ反射することで美しく輝く半面、カットには熟練の技術が必要になります。籠目には、魔除けや厄除けの効果が込められていて縁起がいい文様です。
六角籠目(ろっかくかごめ)
六角籠目は、八角籠目と同じく竹籠の網目をモチーフとしていますが、カットした線同士が六角形になっている点が異なります。
こちらも、魔除けや厄除けの効果が込められている文様です。
矢来(やらい)
本日の江戸切子。
「矢来の玉」というグラスで、矢のように降る雨や竹を交差させて作られた模様と玉が散りばめられた素敵なデザイン。
この矢来紋には、魔除けといった意味があるそうです。 pic.twitter.com/kZBv9s3trI— 横浜元町 タカラダ【公式】 (@TAKARADA1882) December 3, 2024
矢来は、竹で組んだ防護作に由来する格子状のデザインで、八角籠目と並んで江戸切子の代表的な文様の一つです。
交差する直線が美しい文様を描き、強い印象と洗練された雰囲気を演出します。また、魔除けや厄除けの意味も込められており、縁起の良いデザインとして親しまれています。
亀甲(きっこう)
亀甲は、丸いカットが連続的に施されていて、まるで亀の甲羅に見えることからその名が付けられました。
「鶴は千年、亀は万年」という言葉があるように、亀は長寿の象徴として日本で古くから縁起の良い動物とされています。亀甲のデザインも長寿の印とされてきました。
麻の葉(あさのは)
麻の葉は、麻の葉の形を六角形に表現したもので、成長の早い麻にあやかり「子どもの健やかな成長」を願う意味があります。古くは、仏像の装飾や家紋にも使われてきました。
古くから使われていた模様のため、汎用性も高くアレンジがされやすいデザインです。
七宝(しっぽう)
七宝は、仏教用語に由来する模様で、仏典に登場する金や銀・瑠璃など7つの宝を表現しています。
人と人のつながりは7つの宝と同等の価値があると考えられ、円形が永遠に連鎖して繋がる様子から、円満や調和などの願いが込められています。
レンズ状にカットするため、光の屈折により見える文様が美しいのが特徴です。
蜘蛛の巣(くものす)
蜘蛛の巣は、カットを幾何学的に交差させていく伝統的な文様の一つです。
その名の通り蜘蛛の巣状になっているデザインから、「幸運を絡めとる」意味もあります。
きらびやかで、職人の高い技術が分かる伝統文様の一つです。
市松(いちまつ)
市松は、古くは平安貴族の着物の柄に用いられ、近代だと歌舞伎役者の袴などにも使われる日本の伝統的な模様の一つです。
途切れることなく続く文様から縁が切れることなく、「末永く繁栄する」意味が込められています。
シンプルな文様から、他の模様との相性もよいとされています。
魚子(ななこ)
#今日の暦の暦 🗓
本日7月5日(金)は #江戸切子の日
江戸切子の文様の一つ「魚子(ななこ)」から「なな(7)こ(5)」と読む語呂合わせにちなんで江戸切子の日になったそうです!
中学の修学旅行で江戸切子体験をしました!上手く模様が入るまでかなり時間がかかりました💦 pic.twitter.com/bjyucIDCqh
— 長谷川 暦 (@koyomi_ha0828) July 5, 2024
魚子は、魚のウロコの様な文様が特徴で、江戸切子を代表する模様の一つです。
「ななこ」という呼び方は、かつて魚を「な」と読んでおり、ウロコが魚の卵に見えたことから魚の子で「ななこ」という呼び方になりました。子孫繁栄を願う意味が込められています。
また、呼び方の影響で毎年7月5日は「江戸切子の日」に設定されるなど影響力も大きくなっています。
菊花(きっか)
菊花は、菊の花のような文様が特徴で、菊の花言葉のように高貴な印象を与えます。
また、カットガラスの底のデザインとしても使われることがあり、のぞき込まないと見えないデザインは、見る人を虜にするでしょう。
菊籠目(きくかごめ)
9月9日
重陽の節句
「菊」切子 菊の文様
菊花
菊繋ぎ
蜘蛛の巣(芯有り ※中央に菊)
菊籠目#重陽の節句 #菊 #文様 #切子 pic.twitter.com/Uax17ffmdX— 江戸切子協同組合 (@edokiriko) September 9, 2023
菊籠目は、菊繋ぎと同様、菊の形と籠目のデザインが施された伝統文様です。菊繋ぎと同じく江戸切子のカット技法ではよく見かける手法です。
難しいカットを同時に施すため職人の技術が試されます。
菊には、「高貴」や「高尚」籠目は「魔除」という意味もあるため、縁起を担ぐ贈り物におすすめです。
霰文(あられもん)
霰文は、日本で古くから愛されてきた模様であり、霰が地面に振り落ちたかのような丸い突起がいくつも並んでいるのが特徴です。
突起をガラスで表現するのが非常に難しく、高い技術が必要となるデザインです。
江戸切子と薩摩切子の違い
江戸切子は東京発祥で、透明感のあるシャープなカットが特徴です。
一方、薩摩切子は鹿児島で生まれ、分厚いガラスに深く彫り込む「ぼかし」の技法が特徴で、色のグラデーションが美しい特徴があります。
どちらも伝統工芸品ですが、雰囲気や仕上がりに大きな違いがあります。
薩摩切子については以下の記事をご覧ください。
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まとめ:江戸切子は歴史的に見ても資産価値が高い
江戸切子は、日本の伝統工芸品で歴史的価値も高く高価買取が期待できます。
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