勲章の種類をランク順で解説|褒賞との違いや買取相場・査定のポイントも紹介

「遺品として手に入れた勲章が何の種類か知りたい」
「売るとしたらいくらになるのか、どこで売ればいいのか知りたい」

このような疑問はありませんか。

勲章が入っているケースには「どの種類か」が記載されていますが、「篆書体(てんしょたい)」という古い書き方の文字のため、読み取りが困難です。

本記事では、日本の勲章の種類・授与の対象者・価値・売却方法を解説します。

勲章の種類や価値を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

勲章とは?褒章との違いも解説

勲章とは、国や公共のために素晴らしい働きをした方に対して贈られるしるしです。

国が国民をたたえる「栄典制度」の代表的なものとされています。

栄典制度には褒章もありますが、対象となる方や評価されるポイントが異なります。

  • 勲章と褒章の違い

    勲章

    意味

    国や公共のため、長年にわたって貢献した方の功績をたたえるもの

    対象

    主に個人

    特徴

    長期的な活躍を評価する

    褒章

    対象

    社会のさまざまな分野で、特に優れた行いや成果を挙げた実績をたたえるもの

    対象

    個人だけでなく、亡くなった方や団体・法人も対象となる

    特徴

    特定の実績を評価する

受賞者が発表されるのは、いずれも春と秋の2回です。

なお、一般的には褒章よりも勲章のほうが高い価値を持つとされています。

 

勲章の種類

日本で授与される勲章は、大きく分けて4種類あります。

  • ・大勲位菊花章
  • ・桐花大綬章
  • ・旭日章
  • ・瑞宝章

贈られる対象や、特徴を解説します。

参考:内閣府「勲章の種類及び授与対象

 

大勲位菊花章

日本で最も序列が高い勲章です。国家や公共のため特に優れた功績を挙げた、ごく限られた方にのみ授与されます。

具体的な役職は以下のとおりです。

  • ・内閣総理大臣
  • ・衆議院の議長
  • ・参議院の議長
  • ・最高裁判所の長官…など

大勲位菊花章には、2つの種類があります。

大勲位菊花章頸飾

首にかけるタイプ。最も序列が高い。

大勲位菊花大綬章

肩からかける綬(リボン部分)とともに身に付けるタイプ。

「日の丸」をイメージした日章から光線が放たれているデザインです。まわりには、日本の国花である菊と菊葉が飾られています。

令和4年には、元内閣総理大臣の安倍晋三氏に贈られました。

 

桐花大綬章

大勲位菊花章の次に序列の高い勲章です。大勲位菊花賞と同じように、以下の仕事に就き、国のために大きく活躍した方に贈られます。

  • ・内閣総理大臣
  • ・衆議院の議長
  • ・参議院の議長
  • ・最高裁判所の長官…など

朝日を表す「旭日(きょくじつ)」と、日本の伝統的な花である「桐の花」が組み合わされたデザインです。

これまで受け取った方の中には、元内閣総理大臣である森喜朗氏が存在します。

 

旭日章

日本で初めて作られた勲章です。国または公共に対し功労があり、内容が特に優れていると認められた方に贈られます。

6つの等級があり、上から順に以下のようになっています。

  • 旭日章の等級

    名称

    旧制度の等級

    旭日大綬章

    勲一等

    旭日重光章

    勲二等

    旭日中綬章

    勲三等

    旭日小綬章

    勲四等

    旭日双光章

    勲五等

    旭日単光章

    勲六等

中心に日の丸があり、太陽の光が放射線上に広がっているデザインです。

過去には、作曲家で指揮者の久石譲氏が旭日小綬章を受賞しています。

 

瑞宝章

長年にわたって公務に尽くし、社会に貢献した人に贈られる勲章です。

6つの等級があります。上から順に以下のとおりです。

  • 瑞宝章の等級

    名称

    旧制度の等級

    瑞宝大綬章

    勲一等

    瑞宝重光章

    勲二等

    瑞宝中綬章

    勲三等

    瑞宝小綬章

    勲四等

    瑞宝双光章

    勲五等

    瑞宝単光章

    勲六等

デザインは、昔の貴重な宝物である「宝鏡」がもとになっており、周りを16個の丸い玉飾りが囲んでいます。

近年では、令和6年に前日本銀行総裁の黒田東彦氏が瑞宝大綬章を受賞しました。

なお、旭日章と瑞宝章には、どちらが上かという序列はなく、同じランクとして扱われています。

ただし、栄典制度が改正される平成15年より前は、旭日章のほうが上と定められていました。

 

文化勲章の種類

科学や文化の発展において特に顕著な功績があった人に授与される特別な勲章です。

旭日章や瑞宝章と異なり、等級は設けられていません。受章者は文化功労者のなかから選ばれます。人数は毎年5名ほどです。

毎年11月3日の文化の日に発表され、宮中で執り行われる親授式にて、天皇陛下から直接授与されます。

橘の花がモチーフに用いられており、中心の赤い丸には白い勾玉が3つ配置されています。

令和4年には、将棋棋士の加藤一二三氏が受賞しました。

 

褒章の種類

褒章とは、社会のさまざまな分野で良い働きをした方に対して贈られる栄典制度のひとつです。

一生の間に活躍した方を評する勲章と異なり、実績があった都度贈られるのが特徴です。

褒章は、成し得た実績によって6つに分類されています。

  • 褒賞の種類

    褒章の種類

    対象者

    紅綬褒章

    自分の命の危険をかえりみず、他人の命を助けた方

    緑綬褒章

    長年ボランティア活動を続け、すぐれた成果を挙げた方

    黄綬褒章

    農業・商業・工業などの仕事を続け、他の人の手本となるような実績を残した方

    紫綬褒章

    科学技術の分野で発明・発見、または学問・スポーツ・芸術文化の分野で大きな成果を出した方

    藍綬褒章

    会社の運営や団体での活動を通じて、産業の発展や福祉の向上に大きく貢献した方

    保護司や民生委員など、国や市町村に依頼された仕事に尽力した方

    紺綬褒章

    社会のために自分の財産を寄付した方

団体が受けとる場合は「褒状(ほうじょう)」という名前になります。

すでに褒章をもらった方が、また同じ種類をもらうときは「飾版(しょくはん)」が与えられます。

 

廃止された勲章

日本の勲章には、現在は廃止されたものも存在します。代表的なのが以下の2種類です。

  • ・金鵄勲章
  • ・宝冠章

それぞれの特徴を見ていきましょう。

 

金鵄勲章

戦時において武功を上げた軍人に授与されていた勲章です。以下の戦争において、贈られているとされています。

  • ・日清戦争
  • ・日露戦争
  • ・第一次世界大戦
  • ・満州事変
  • ・支那事変
  • ・第二次世界大戦(太平洋戦争・大東亜戦争)

黄金色のトビがモチーフとなっており、等級は功一級〜功七級の7等級です。

 

宝冠章

明治21年(1888年)に作られた勲章で、もともとは女性だけに贈られていました。

今でも制度としては残っていますが、平成15年(2003年)に制度が変わってからは、日本国内の一般の人には使われなくなりました。

改定後の宝冠章の種類は、以下の6つです。

  • ・宝冠大綬章
  • ・宝冠牡丹章
  • ・宝冠白蝶章
  • ・宝冠藤花章
  • ・宝冠杏葉章
  • ・宝冠波光章

今では、主に外国の要人に対して、式典などで贈られるときに使われています。

昔の女帝が被っていた冠をイメージして作られており、まわりには真珠・竹の枝・桜の葉などが配置されています。

 

勲章の授与者を決める基準

勲章の授与には毎回およそ4,000人が選ばれており、選考には公平性を保つための厳密な基準が設けられています。

毎年春と秋の年2回行われることから、「春秋叙勲」と呼ばれています。

受章の対象条件は以下の通りです。

  • ・国や公共のために功績を挙げた方
  • ・基本的には70歳以上の方
  • ・大変な仕事や、人目につきにくい仕事を長く務めた方は、55歳以上でも対象

以下の流れで慎重に極められます。

1.推薦

各役所の大臣などが「この人がふさわしい」と考える候補者を内閣総理大臣に伝える

2.審査

内閣府にある賞勲局という専門の部署で、推薦された方が本当にふさわしいかチェック

3.閣議決定

内閣の会議で話し合い、最終決定

4.御裁可

天皇陛下から認められる

また、一般から候補者を推薦する「一般推薦」という方法もあります。

 

価値のある勲章の種類

勲章のなかには、歴史的な価値や希少性から高い価値を持つものがあります。

なかでも代表的なのが、以下の4つです。

  • ・序列1〜4位までの勲章
  • ・女性のみの贈られる「宝冠章」
  • ・戦争の功労者に贈られる「金鵄勲章」
  • ・満州国の勲章

それぞれの特徴や買取相場を紹介します。

※以降で紹介する買取相場は、買取価格を保証する物ではありません。価格は各勲章の状態によって異なります。詳しい価値を知りたい方は『買取むすび』へご相談ください。

 

序列1〜4位までの勲章

勲章には「序列」と呼ばれるランクがあり、上位の種類ほど高い価値を持ちます。

一般的には、序列1〜4位のものに価値があるとされています。序列1〜4位の種類は、以下のとおりです。

  • 序列4位までの勲章

    序列

    勲章

    1位

    大勲位菊花章頸章

    2位

    大勲位菊花章大綬章

    3位

    桐花大綬章

    4位

    旭日大綬章・瑞宝大綬章・文化勲章

買取相場は〜数十万円ほどです。

ただし、1位の大勲位菊花章頸章、2位の大勲位菊花章大綬章はほぼ市場に出回らず、相場も存在しません。

 

女性のみに贈られる「宝冠章」

宝冠章は、以下の点から高い価値を持つとされています。

  • ・女性にのみに贈られていたため、受賞者が少ない
  • ・2003年の制度改正により、一般に贈られなくなった

価格は数万円ほどです。なかでも最上位の「宝冠大綬章」は序列4位に位置づけられており、高額で取引されています。

かつては勲一等から勲八等の8種類でしたが、現在は6等級で構成されています。

 

戦争の功労者に贈られる「金鵄勲章」

戦争で武功を挙げた軍人に贈られていた金鵄勲章も、価値が高い勲章のひとつです。

授与者は数十万人と多いですが、戦後の混乱期に紛失・破損しており、残存数が少なく希少価値が高いとされています。

買取相場は序列が高いほど価値が付き、最も高い場合、100万円以上で取引されるケースもあります。

 

満州国の勲章

かつて中国にあった満州国で贈られていた勲章にも高い価値がつきます。

主な勲章の種類は、以下の2つです。

  • ・景雲章(けいうんしょう)
  • ・柱国章(ちゅうこくしょう)

景雲章は旭日章に相当し、勲一位から勲八位までの8種類です。

綬(リボン)は、白地の左右に赤い線が1本ずつ入っています。勲章は、序列によってデザインが若干異なります。

柱国章は、瑞宝章に相当する勲章です。綬は赤いラインを中心に、左右を黄色いラインが縁取っています。

序列は、景雲章と同じく勲一位から勲八位の8つです。

満州国の勲章は現存数が少ないため骨董品としての価値が高く、数万〜数十万円ほどで取引されるケースが多く見られます。

従軍記章は高額買取になりにくい

勲章と似たものに、従軍記章(じゅうぐんきしょう)があります。

従軍記章は、戦争に参戦または従事した方に贈られる、記念メダルや記念バッジのようなものです。

主な従軍記章は以下のとおりで、ほかにもさまざまな種類が存在します。

  • ・明治七年従軍記章
  • ・明治二十七八年従軍記章
  • ・明治三十三年従軍記章
  • ・明治三十七八年従軍記章
  • ・大正三四年(大正三年乃至九年戦役)従軍記章
  • ・昭和六年乃至九年事変従軍記章
  • ・支那事変従軍記章
  • ・大東亜戦争従軍記章
  • ・国境事変従軍記章

従軍記章は発行枚数が多いため、希少価値が低く、高額での買取となる例はあまり見られません。

ただし、満州国で作られた従軍記章など、一部の種類には高い価値を持つものもあります。

 

勲章の売却方法

勲章を売却するのであれば、骨董品についてよく知っている買取業者に依頼しましょう。

知識のある買取業者には、勲章の価値を理解している鑑定士が在籍しているためです。

勲章の種類・状態・歴史的背景などを総合的に判断し、正確に価値を評価してくれます。

また、市場の相場をもとに適正な金額を提示するため、安心した取引が可能です。

『買取むすび』でも勲章の買取を実施しています。詳しくは、本記事の「『買取むすび』では勲章の買取に対応」をご参照ください。

 

勲章の査定額を決めるポイント

勲章の査定額はさまざまな要素によって決まりますが、特に以下の2つが重要となっています。

  • ・保存状態
  • ・付属品の有無

それぞれの判断内容を見ていきましょう。

 

保存状態

勲章の保存状態が良いほど価値が上がります。反対に、以下のような劣化が見られる場合は価値が下がる傾向です。

  • ・割れ・ヒビ・欠け
  • ・退色・変色
  • ・釉薬(ゆうやく)が剥がれている

釉薬とは、勲章の表面に塗布するガラスの素材を言います。古い勲章の場合、経年劣化により釉薬が剥がれているものが存在します。

また、勲章に取り付けられている綬(勲章用のリボン)の汚れも、価値を決めるポイントです。

 

付属品の有無

勲章は、付属品がそろっているほど査定額が高額になります。勲章の付属品とは、以下の物を指します。

  • ・勲章を保存しておく箱
  • ・勲記(くんき)

ほとんどの勲章には、漆で塗られた専用のケースが付属しており、勲章の種類や序列(等級)が書かれています。

勲記とは、勲章を授与する際にセットで与えられる賞状のようなものです。勲章の証明書のような役割を果たします。

 

『買取むすび』では勲章の買取に対応

『買取むすび』では、勲章の査定・買取を実施しています。

さまざまな勲章を買取してきた実績があり、専門知識を持った鑑定士によって適正な買取価格の提示が可能です。

以下のような、状態の悪い勲章でも『買取むすび』であれば対応できる可能性があります。

  • ・古くて状態が悪い
  • ・詳細がわからない
  • ・保存する箱がない
  • ・他店で買取を断られた

また、3つの買取方法を用意しているため、来店できない方や、遠方にお住まいの方も利用可能です。

店頭買取

・来店時の予約が不要

・その場で鑑定士に質問できるので安心

・即日現金払いが可能

宅配買取

・勲章を送るだけで査定・買取が可能

・送料は『買取むすび』が負担

・査定額は口座振り込み

出張買取

・鑑定士が自宅へ訪問

・出張料は無料

・即日現金払いが可能

いずれの方法も、査定料・キャンセル料は発生しません。

画像を送るだけでおおよその査定額がわかる「LINIE査定」も用意しているため、都合の合う方法でご相談ください。

 

まとめ:勲章の種類は授与対象者によって異なる

勲章とは、生涯にわたって功労があった方に贈られる栄典制度のひとつです。種類によっては骨董品としての価値があり、高額で取引されています。

『買取むすび』では、勲章の買取が可能です。売却を検討している方は気軽にご相談ください。

 

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