執筆:
買取むすび 編集部
陶器と磁器の違いは?高い価値が期待できる陶磁器の特徴や高く売るコツも解説
「陶器と磁器の違いが知りたい」
「実家にあった食器を処分したいが、種類がわからない」
このようにお考えではありませんか?
作家ものの花瓶や、味わい深い和の湯呑、海外製のおしゃれな食器などの「焼き物」を好んで集めている方も多いでしょう。焼き物は陶磁器とも呼ばれ、大きくは陶器と磁器に分類されますが、ふだんはあまり意識せずに使用しているのではないでしょうか。
陶器と磁器はそれぞれ異なる特徴を持ち、中には美術工芸品として高い価値があるものも存在します。
本記事では陶器と磁器の違いを解説します。それぞれの歴史や特徴や、売却する際に価値が高まるポイントも解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
陶磁器は陶器と磁器の総称

「陶磁器」は、陶器や磁器といった焼き物の総称です。素焼きの焼き物である土器・日本で育まれた磁器・中国や朝鮮の流れをくむ陶器・陶器と磁器の中間的な性質を持つ炻器(せっき)が「陶磁器」に含まれます。
「日本の三大陶磁器」として知られるのが、瀬戸焼・美濃焼・有田焼(伊万里焼)です。このうち、瀬戸焼と美濃焼は陶器、有田焼(伊万里焼)は磁器に分類されます。
「せともの」という言葉の由来にもなった瀬戸焼は、平安時代から製造が始まり、コバルト顔料を使用した絵付けが特徴です。奈良時代に朝鮮半島から伝わった須恵器づくりの技術を起源とする美濃焼は、日本一の生産量を誇ります。
有田焼と伊万里焼は元はどちらも「肥前焼」と呼ばれていました。しかし、地域が有田町と伊万里市に分かれたため、現在ではそれぞれの生産地に合わせた名称で呼ばれています。
有田焼は生活用品から高級品まで幅広く製造されている一方、伊万里焼は高級磁器の製造が主になっています。
陶器と磁器との違い

陶器と磁器は、歴史や製造方法、外観や質感も異なります。主な違いは下表をご確認ください。
-
陶器と磁器の違い
陶器
磁器
原材料
主に粘土(陶土)
主に石(珪石や長石)
焼き上げる温度
1,000~1,300℃
1,300~1,400℃
吸水性
高い
低い
保温性
高い
陶器に比べて低い
歴史
約1万2,000年前(縄文時代)
約1,000年前(11世紀)
発展した時期
5世紀頃
15世紀(1610年代の江戸時代)
電子レンジの使用
基本的に不可
可
次に、特に違いの大きい以下3点を解説します。
- ・原材料の違い
- ・製法の違い
- ・歴史の違い
一つずつ見ていきましょう。
原材料の違い
陶器と磁器の大きな違いの一つは原材料です。陶器は、主に陶土(とうど)と呼ばれる粘土を原材料としているため、土物(つちもの)とも呼ばれます。
粘土をベースに、粘土のヒビ割れの防止にガラス成分である珪石(けいせき)と、ガラスを溶かす成分の長石(ちょうせき)を混ぜて耐久性を高めています。比率はおおよそ「長石10%・珪石40%・粘土50%」で、土の割合が半分を占めているのが特徴です。
一方、磁器は陶石(とうせき)を細かく砕いた石を主な原材料とするため、石物(いしもの)と呼ばれています。比率はおおよそ「長石30%・珪石40%・粘土30%」と、石の成分が最も多いのが特徴です。
陶器は細かい穴があり、水分を吸収しやすいのも特徴の一つです。吸収された水分が電子レンジの加熱で膨張すると陶器のヒビや割れの原因になることがあります。
そのため、「耐熱陶器」「電子レンジ対応」と明記されていない陶器は、電子レンジでの使用を避けるようにしましょう。
磁器は純白で透明感のある美しさが特徴で、表面は滑らかでつるつるとしています。さらに薄く製造できるため、陶器と比べてかさばりにくく収納が容易です。そのため、多くの家庭で日常的に使われています。
製法の違い
陶器と磁器の製法は似通っており、異なるのは焼く温度のみです。
陶磁器を製造する場合、陶器の原材料になる土の採取や、磁器の原材料の陶石を用意して砕くなどの準備をします。次に、材料を比率に従って混ぜて、粘土全体の水分量や硬さが均一になるよう捏(こ)ねます。
型を使ったり、てびねりと呼ばれる手で形作ったり、ロクロを使ったりして焼き物の形を成形するのです。成形後は、ヒビ割れを防ぐために数日~数週間乾燥させます。
次は、素焼きと呼ばれる約800~900℃程度の低温で焼き、製品を硬化させる工程です。下絵付けと呼ばれる模様や絵柄を描いたり、表面に釉薬(うわぐすり)を施しガラスのコーティングを形成します。
本焼きをすれば陶磁器の完成です。陶器は1,000~1,300℃、磁器は1,300~1,400℃と本焼きの温度が異なります。
歴史の違い
共に陶磁器・焼き物に分類され、製造工程も比較的似ている陶器と磁器ですが、それぞれ異なる歴史を持ちます。次に、陶器と磁器の歴史を見ていきましょう。
- ・陶器の歴史
- ・磁器の歴史
一つずつ、解説します。
陶器の歴史
陶器は非常に長い歴史を持ち、世界各地で独自の発展を遂げました。日本の陶器は「縄文土器」として、約1万2,000万年前には存在しています。
現代においても、陶器を製造する窯は全国各地にあり、中でも、中世から平安時代末期から安土桃山時代にかけて確立され、今なお製造が続いている6つの窯は「日本六古窯(ろっこよう)※」と呼ばれ、代表的な窯として知られます。
陶器は熱伝導率が低く、熱しにくく冷めやすい点が特徴です。そのため、食べ物や飲み物の温かさを保持しやすく、多くの家庭で日常的に使用されています。
また、各地域でさまざまな特色を持つ焼き物として発展しており、日常に密接した道具としても親しまれています。
磁器の歴史
日本独自の文化として培われたのが陶器であれば、中国から伝来して日本を経由し世界に広まったのが磁器です。磁器の製造技法は、1513年に中国から日本に伝わったとされます。
その後、1616年に朝鮮出身の陶工の手により有田焼が誕生し、日本においても本格的な磁器製造が始まりました。17世紀になると日本の伊万里焼がヨーロッパに伝わり、ドイツのマイセンで初めてヨーロッパ製の磁器が製造されました。
中国で始まった磁器の文化は、長い時間をかけて世界に広がったのです。
耐久性が高い一方、薄く仕上げられる磁器は、日常使用に適しており、多くのメーカーが手がけています。日本における有名な磁器製造メーカーは、創業100年を超える最高級磁器メーカー大倉陶園やNoritakeなどです。
陶磁器にもお宝あり|オークションにて超高額で取引されるケースも

世界的な文化でもある陶磁器の中には、価値が高く、市場に出ると高額で取引されるものもあります。
本章では、陶磁器の価値について確認していきましょう。
- ・陶磁器は美術工芸品としても扱われる
- ・価値が高まる陶磁器とは
実際の取引価格から解説します。
陶磁器は美術工芸品としても扱われる
陶磁器は鑑定番組などでよく登場するほど現存する数が多いアイテムです。贋作やコピー品もありますが、価値の高い本物の陶磁器は美術工芸品として扱われ、高値がつけられています。
高値がつけられた例として、2017年に香港のオークションに出品された中国陶磁器が挙げられます。故宮博物院や大英博物館などに収蔵されているものと同型であり、42億4800万円で落札されました。
日本の陶磁器では、薩摩焼の1メートルを超える大皿が275万円で取引されたのが有名です。
価値が高まる陶磁器とは
一般的に、陶磁器は以下に該当すると価値が高い傾向にあるとされます。
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価値が高まる陶磁器の特徴
陶工の知名度
井上萬二・酒井田柿右衛門・今泉今右衛門・島岡達三など
メーカー(ブランド)
マイセン・アラビア・リヤドロ・ノリタケ・ウェッジウッド・大倉陶園など
流通量
少ない
歴史的価値
古い時代に製作された
芸術性と技巧
細密な絵付けや複雑な成形技術を用いている
サイズ
特大サイズの皿(通常では制作が難しい大きさ)
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【Q&A】陶器と磁器のよくある質問

インターネット上でよく検索される陶器や磁器のよくある質問を解説します。
- ・磁器と陶器のどちらがいいですか?
- ・有田焼は陶器・磁器のどちらに分類されますか?
一つずつ、見ていきましょう。
Q.陶器と磁器のどちらがいいですか?
A.どちらがよいかは用途にもよります。
磁器に比べ陶器は耐久性が高いため、破損をあまり気にせず使用したいシーンでは陶器のほうがよいでしょう。また、保温性が高く、温かい食べ物・飲み物が冷めにくいため、食器としての利用に適しているといえます。
一方、磁器は薄手で透明感があり、美しい絵柄や金採などが楽しめます。デザイン性も高いため好んで使う方も多い傾向です。
良し悪しはないため、自分の好みの陶磁器を使ってみてはいかがでしょうか。
Q.有田焼は陶器・磁器のどちらに分類されますか?
A.有田焼は磁器に分類されます。
佐賀県有田町とその周辺で製造されている伝統工芸品でもある有田焼は、透けるような白地に施される美しい絵付けで国内外問わず高い評価を得ています。
17世紀の豊臣秀吉の朝鮮出兵に伴い、朝鮮から多くの陶工たちが日本に移され、国内で有田焼として製造され始めました。今や知名度と実用性が高い有田焼は、大手牛丼チェーン店の吉野家が創業当時から器に採用していることでも有名です。
一般的に陶器より割れやすいといわれる磁器ですが、2016年には有田町の佐賀県窯業技術センターで一般的な磁器の約3~5倍もの強度を持つ磁器が製造されました。
長い歴史を持つ有田焼は、さらなる進化を遂げつつあるといえるでしょう。
参考:佐賀県窯業技術センター「世界最高強度の磁器材料の開発に成功しました」
陶器や磁器を高く売るための4つのポイント

陶磁器を売却する場合、以下の4つのポイントを意識すると査定額がアップする可能性があります。
- ・保管場所に気を付ける
- ・付属品を揃える
- ・清潔にする
- ・早めに売却する
一つずつ、見ていきましょう。
保管場所に気を付ける
陶磁器は湿気や直射日光に弱いため、適切な環境で保管するのが大切なポイントです。湿気が多い場所ではカビが発生しやすく、直射日光に当たると日焼けによって変色する可能性があるためです。
また、落下などによる破損にも注意しなくてはなりません。最近、割れてしまった陶磁器を金継ぎ(きんつぎ:陶磁器の破損部分を漆を用いて修繕すること)するケースも見られます。
しかし、金継ぎすると骨董品としての価値は下がる可能性があるため、保管する際は細心の注意を払う必要があります。
付属品を揃える
陶磁器を購入した際の付属品を売却する際に一緒に査定に出すと買取価格アップにつながります。
付属品には以下のようなものがあります。
- ・鑑定書や証明書
- ・共箱(外箱)
- ・緩衝材
- ・購入時の袋
特に共箱は作家名や製造時期が記載されているケースがあります。重要な情報源になるため、査定額アップにつながる重要な付属品の一つです。
清潔にする
陶磁器も他のアイテムと同様、見た目が清潔できれいなほうが高価買取されやすい傾向にあります。
売却を検討している陶磁器を確認し、ダメージがない場合は可能な限りきれいにするのがおすすめです。食器であれば洗えるものは丁寧に洗い、清潔な状態に整えましょう。
しかし、細かなヒビが入っている場合、清掃時にさらなるダメージを与えないよう注意が必要です。柔らかな布で優しく拭き取るか、くぼみに溜まった埃を軽く払う程度に留めるのが安全です。
早めに売却する
陶磁器は、買取相場が極端に変動しないため、具体的な売り時は明言できません。しかし、そのまま置いておくと経年劣化で状態が徐々に悪くなります。そのため、不要な場合はできるだけ早く売却するのがよいでしょう。
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売却先の選定ポイント|複数の買取専門店に見積もりを取るのがよい

売却先として候補にあがるのは、リサイクルショップ・フリマサイト・買取専門店などでしょう。
リサイクルショップは店舗数が多いため、近所にあれば手軽に現金化でき便利です。一方、あまり高い査定は期待できない傾向にあります。
フリマサイトは自分で値決めできるため、売却金額に納得しやすいのがメリットですが、売れた場合に売却価格の10%程度の手数料がかかります。また、写真の撮影や解説文の作成、発送など、売却にかかる負担が大きい点がデメリットです。
手間をかけずに適正な価格で売却したい場合、買取専門店を選びましょう。
お店を選ぶ際は、売りたいアイテムの買取を強化しているか確認してみてください。買取を強化している品目であれば、しっかりした査定額が提示されるケースが多いためです。
買取を強化しているかは、公式サイトに買取専用ページがあるかどうかが目安になります。例えば陶磁器の食器を売りたい場合、食器の買取専用ページがあるかをチェックします。
買取専用ページが用意されている買取専門店をいくつか見つけて見積もりを取り、査定額を比較して売却先を決定しましょう。
まとめ:『買取むすび』はどのような状態の陶磁器でも積極的に買取中

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