金買取はクーリングオフ可能?制度の詳細・解約手順のまとめ

金製品(ゴールド)は、資産として人気の高いアイテムです。純金としてそのまま保有することもできますが、アクセサリーやジュエリー、置物や貨幣として持つことも可能です。

資産価値をもつ一方で、どのお店でも取り扱いがあるわけではありません。金製品を扱っている販売店や買取店で売却を行う必要がありますが、売却後の返品は可能なのでしょうか。

この記事では、金の売却を行ったあとに返品ができるのか、特定商取引法に定められているクーリングオフ制度も含めて詳しく紹介します。

 

金の売却後に返品してもらえる?

金の売却は、もし業者から申し出があっても無理に売り渡さないように注意しましょう。

万が一「何でも買い取るから」「絶対に売ってほしい」「売らなければ損をする」などと強気で迫られ、売却をしてしまった場合は、後から紹介する「クーリングオフ」制度が利用できます。

買取店などに直接赴いて金の買取サービスを利用した場合は、お店の取り決めに基づいて売却を進めます。

成約(契約が成立すること)後に買取契約書が発行されますが、そこに「金銭の支払いをしたあとは返品対応不可」と記載されていれば、支払いを完了してしまうと返品はできなくなります。

金の売却を決めていてもまだ契約書が発行されていなければ、売却の相談のみにとどめることができます。または支払いを終える段階に至っていなければ、店舗または業者側と話し合ったうえで契約を取り消すことが可能です。

買取業者に交渉する

店舗または業者と取り交わした書面に返品不可と記載されていれば、その内容通りに売却を進めなくてはなりません。

どうしても返品が必要になった場合は相手方に交渉をかけることになりますが、契約書に記載されている文言の通りであれば、契約を覆すことは難しくなります。

売却した商品を再度購入する

買取業者に返品交渉を行い、結果として提示される可能性のある代替案に「再度購入する」方法が挙げられます。一度売却をしたが返してほしい、しかし契約の内容上返品が難しいという場合は、もう一度売ったお金で買い戻すのが適当です。

買い戻しには法的な縛りはありません。金製品の買取業者が販売を行っているかどうか確認し、再度購入したい旨を伝えましょう。

ただし買取価格よりも高額になるケースがほとんどのため、売却で手に入れた金額よりも高値での買取になることを考慮しておく必要があります。

参考記事:今後の金価格の相場はどうなる?価格が変動する原因も解説

クーリングオフを利用する

クーリングオフは、ブランド物・金製品・宝飾品といった資産価値を有するアイテムを含め、売買契約について消費者を保護する制度として施行されている制度です。契約後、一定期間内であれば契約自体を無効にできる法律です。

ただし、訪問販売・訪問購入・電話勧誘販売・マルチ商法・特定継続的役務提供(エステのサービスや学習塾など)・業務提供誘引販売取引(モニター商法など)のケースに適用される法律で、店頭での通常の売買は適用対象外となるので注意しましょう。

業者や買取店のスタッフがやってきて金の買取を行う「訪問購入」によって手持ちの金製品を売却してしまった場合には、クーリングオフの対象となります。

業者側が「一度金銭を支払ったものなので返せない」と主張してきたとしても、この制度を利用して契約した日を含む8日以内に解約手続きを行えば、金製品の返品を受けられます。

 

クーリングオフとは?

「クーリングオフ(Cooling Off)」とは、契約の申し込みや締結を行ってもその契約を再考し、取り消し・撤回・解除ができるように取り決めた法律です。

従来は書面での契約手続きのみとなっていましたが、2022年6月1日からは事業者の公式サイトに設置された専用フォームや電子メール、記録媒体を含む電磁的記録からでもクーリングオフの通知が可能となっています。

この制度の最大の目的は「消費者の保護」です。かつて流行していた訪問販売やキャッチセールスでは、悪質な業者による契約や押し売りが横行しており、消費者が正しく目的をもって商品の売買が行えず、不利益となるケースが相次いでいました。

そこで、クーリングオフ制度を設けて悪質な業者を減らし、適切な売買が行えるように制度が整えられました。

しかしどのような売買にも適用されるわけではありません。対象となる販売方法と、クーリングオフが可能な期間は以下の通りです。

訪問販売(8日) 訪問による物品の販売。キャッチセールス・アポイントメントセールスも含まれる
訪問購入(8日) 訪問による物品の買取
電話勧誘販売(8日) 電話をかけて物品を販売する行為
特定継続的役務提供(8日) エステサロン・美容医療・学習塾・各種教室・結婚紹介サービスなどの長期的、高額契約を対象とする
業務提供誘引販売取引(20日) 仕事を紹介するとうたい、商品やサービスを購入させる「内職商法」
連鎖販売取引(20日) 第三者を販売員として勧誘させ、商品を買わせる「マルチ商法」

上記以外にも、「現物まがい商法」や保険契約など、多種多様な規定によってクーリングオフが認められています。

これらの取引はいずれも、顧客となる消費者側が納得できていればクーリングオフを行う必要はありません。しかし同意を得ずに、あるいは詐欺行為によって利益を得ようとする悪質な業者が後をたたないことから、消費者の権利を保護するために制度が誕生し、必要に応じて内容の見直しが行われています。

金製品の売買には、店頭買取・宅配買取・出張買取が一般的に行われていますが、なかには突然個人宅に押しかけて訪問購入を持ちかけるケースがあります。

消費者自身が「家まできてほしい。そして買取をしてほしい」と依頼している場合は消費者の希望や意向のもとに売買が行われますが、突然押しかけてくるような訪問購入はクーリングオフの適用対象となります。

訪問購入のクーリングオフ期間は、契約した日を含めて8日間となります。この8日間で契約が適切であったかを再考し、クーリングオフを受ける際には買取店や業者に対して契約解除通知書を送って、契約を解除し返品を受けたい旨を伝えます。

 

クーリングオフが適用される金買取方法

金の買取方法は「店頭」「出張」「訪問」「宅配」の4種類に分けられます。そのうち、もっとも多く行われている方法が店頭での買取や売却です。

訪問買取や出張買取は顧客の自宅へ直接訪問し、査定と売却を行うため、クーリングオフが適用になる場合があります。ここからはこの制度が適用される条件を詳しくみていきましょう。

訪問買取

クーリングオフとは、消費者が契約に関して冷静に考え直し、一定期間内に契約を取り消すことができる制度です。特定商取引法の中に定められており、訪問販売や通信販売などの消費者トラブルを生じやすい取引が対象となります。

訪問買取は、買取業者の社員やスタッフが個人の自宅などを訪問し、貴金属や値打ちのある古物の買い取りを申し出ます。個人が顧客として訪問を依頼しているケースと、依頼せずにやってくるケースに分かれます。

悪質な訪問買取のケースとしては、事前連絡を一切行わずに玄関先へ訪問し「見せていただくだけでも結構です」と言って貴金属を提示させ、その場で査定を行います。個人が「売る」と言うまで玄関先で粘ったり強く売却を迫ったりする「押買(おしがい/おしかい)」行為が代表的な例です。

クーリングオフ制度を定めている特定商取引法では、依頼をしていないのに飛び込みで売買や押買を行うことを禁じており、強引にやってくる業者には法的な根拠を示して訪問買取を断ることができます。

万が一売却をしてしまっても、クーリングオフ制度によって契約を取り交わした日から8日以内に取り消しが可能となります(ただし家具や本、有価証券のような本制度適用除外品に注意が必要です)。

出張買取

出張買取は、古物商許可を得ている買取業者の多くが行っている売買の方法です。顧客の自宅や指定の場所、ホームセンターやデパートのようにアクセスがしやすい場所へ出向いて、その場で査定・買取を行う方法です。相談だけ出先で行い、あとから店舗で買取に出すこともできます。

出張買取は、顧客が自ら買取店に依頼してスーパーマーケットや小売店の店内といった出張先、または顧客の自宅へスタッフが出向く方法です。

しかし悪質な業者のなかには、依頼を受けていない(または依頼者が顧客であるが金製品の買取を希望していない)にも関わらず押しかけ、売却を迫る場合もあり、その際にはクーリングオフが適用となります。

 

クーリングオフが適用されない金買取方法

クーリングオフが適用される買取方法は、消費者が不利益を受けやすい一方的な押しかけによる売買が対象となります。

ここからは、クーリングオフ制度の適用対象外となる金の買取方法について紹介します。

店頭買取

店頭買取は、近年問題になっている押買行為には当たりません。店頭でのやり取りは押しかけや訪問にはあたらず、消費者自身が顧客として来店するため、消費者側の意向や行動を前提として売買であるためです。

クーリングオフはあくまでも訪問販売、電話勧誘などの押しかけや不意打ちによる契約に適用され、顧客として個人が店頭で契約を交わす売買については適用の対象外となります。

店頭で金製品の買取を受ける際には、スタッフからの説明をよく聞いて納得できるまで相談することをおすすめします。

契約をしてから「やっぱり売るのを止めた」とはならない点に注意し、金価格の推移にも注意しながら、ベストなタイミングで売却を行いましょう。

宅配買取

宅配買取は顧客の申し出によって宅配用のキットを取り寄せ、顧客自らキットを返送して行う取引のため、クーリングオフの対象とはなりません。

業者によっては宅配買取を申し込んだあと、一定期間であればキャンセル可能としている場合もありますが、クーリングオフの対象とならない点に注意が必要です。

宅配買取では、申し込みの際に自動で売却が行われるなどの契約内容が盛り込まれているものもあります。契約内容をよく読んで手順をイメージしておかなければ、あとから契約の解除や物品の返送が一切不可となり、売却が始まってしまう可能性もあるのです。

ただし、ほとんどの買取業者は宅配キットに品物を入れて返送するだけでは売却の対象とはならず、査定を完了して値段を聞くまでは顧客の判断や意思を確認しています。

悪質な業者かどうかは契約内容をよく比較したうえで判断しなければなりませんが、不明点は事前に問い合わせを行い、不明点は事前に問い合わせを行い、その対応や内容によって見極めることをおすすめします。

その他適用外になるケース

契約の当事者同士が事業者である場合も、クーリングオフの対象からは外れてしまいます。

顧客が事業者ではない一般の消費者で、押買行為や強迫行為による売却はクーリングオフが可能ですが、事業者同士の取引は適用となりません。

クーリングオフ対象外商品

クーリングオフには、宅配買取や店頭買取のような「方法」以外に、「対象外商品」があります。

たとえば、仕事用や営業用に購入したもの、現金で3,000円未満の契約、消耗品として使用した分(すでに使用している分)はこの制度の適用ができません。

通信販売、インターネットショッピングについても顧客自身が自己判断で購入した物品であり、クーリングオフの対象とならない点に注意が必要です。

 

クーリングオフを行う手順

ここからは実際にクーリングオフを行う際の手順をチェックしていきましょう。適用の対象となるかどうかをチェックし、「契約解除通知書」の作成手順と注意点を紹介します。

対象の範囲や日数を確認

金の売却にクーリングオフを適用するためには、その対象に入っているかどうかが重要です。

訪問買取を受けたとしても、法律に則っていれば違法ではありません。出張買取で自宅まで業者が来てくれるケースは押しかけにはならないため、クーリングオフの対象に含まれません。

まずは契約内容を確認し、クーリングオフの対象に含まれるかをチェックしましょう。判断が難しければ、日本全国に設置されている消費者生活センターや国民生活センター、消費者ホットライン「188」で確認を行ってください。

次に、クーリングオフまでの日数を確認します。契約した日を含む8日間から20日間までに通知を行うと決められていますが、期間が過ぎてしまっても錯誤による無効や詐欺・強迫行為による契約の取り消しは可能です。未成年者が誤って金を売却してしまった場合も、取り消しが認められています。

クーリングオフは特定商取引法に定められていますが、「消費者契約法」でも購入契約が取り消せる場合があります。

たとえば判断力の低下の不当な利用、契約の締結前にサービスを提供する行為、不確実な事項に関する断定的判断の提供など、金製品の売却に前後してこれらの不当な行為が認められた場合は、販売業者の責任が問われます。

流れに沿って手続きをする

クーリングオフが可能な期間中に、書面(ハガキも可)または電磁的記録を使って通知を行います。通知には、事業者名・対象となる契約を締結した年月日・契約者の名前・売却した金の情報・売却金額を記載し、必ず期間に間に合わせます。

書面は、以下の流れに沿って必要事項を記載しましょう。

【タイトル】

通知書

(改行)

次の契約を解除します

【契約相手の業者の情報と売却した物の情報】

契約日 202○年○月○日

株式会社 ○○ ○○営業所 ○○ ○○ 様(担当者 ○○ ○○ 様)

所在地 ○○県○○市○○区○○

 

商品名 ○○

売却金額 ○○○○○○円

【クーリングオフを希望する旨の記載】

上記日付の契約を解除、クーリングオフを希望いたします。

売却いたしました○○(商品名)につきまして、ご返却をお願いいたします。

(または「引き渡し済みの商品○○を返還してください」)

【クーリングオフを希望する個人の情報】

202○年○月○日

住所 ○○県○○市○○区○○

氏名 ○○ ○○

これらの情報を1枚の書面に収め、通知として出します。電話や口伝えでは相手方にきちんと内容が伝わらない可能性が高く、「クーリングオフの申し出を受けていない」と言われてしまう可能性もあるため、必ず通知を行ったあとは形として残しておきましょう。

書面による通知は「特定記録郵便」「簡易書留」を利用し記録が残るようにします。電磁的記録ではスクリーンショット・送信後のメールを保存し、可能であれば紙媒体でも出力をしておくと安心です。

手続きでチェックしたいこと

悪質な事業者によっては、クーリングオフができないと電話や書面で通知を行ったり、適切に物品が返還されなかったりするおそれがあります。その際には最寄りの消費者生活センター、または法的な手続きが必要な方は弁護士や法律事務所へご相談ください。

クーリングオフの注意点

注意点として、業務提供誘引販売取引や連鎖販売取引はクーリングオフの期間が20日設けられているのに対し、訪問買取を含む4項目は8日となっています。

契約を行ってから、解除や解約を申し出る通知が相手方に届くまでに日数を要する場合もあるため、クーリングオフを行うと決めたあとは早めに通知を用意しなければなりません。

 

金の売却は信頼できる事業者に依頼する

いかがでしたでしょうか。今回は、金の買取方法とクーリングオフ制度が適用になる対象範囲、制度を利用する手順について紹介しました。高額になりやすい金製品の売却は、納得したうえで正しい契約のもとに行われなければなりません。

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