江戸時代から続く伝統|酒井田柿右衛門の代表作や高く売れる作品の特徴を解説

「酒井田柿右衛門の代表作は?」

「どんな作品が高く売れる?」

このような疑問はありませんか。

酒井田柿右衛門は江戸時代から続く有田焼の名窯元であり、国内外で高く評価されています。

長い伝統と技術が凝縮された作品が魅力ですが、代表作や本来の価値に詳しくない方もいるでしょう。

本記事では、酒井田柿右衛門の代表作や、何代目の評価が高いのか解説します。高価買取が期待できる品物の特徴も紹介するため、ぜひご覧ください。

酒井田柿右衛門(さかいだかきえもん)は約380年以上の歴史を持つ窯元

陶器

酒井田柿右衛門(さかいだかきえもん)は、有田焼の名門窯元であり、約380年の歴史を誇ります。初代の酒井田喜三右衛門(さかいだきそうえもん)は、江戸時代初期の1643年に赤絵磁器の制作を始め、1647年頃、苦労の末に赤絵磁器の焼成に成功しました。

柿右衛門様式は、乳白色の素地(下地)である濁手(にごしで)に、赤や緑・黄・青などの鮮やかな上絵付けを施す技法で、余白を活用した非対称の構図が特徴です。

初代柿右衛門の作品はオランダ東インド会社を通じてヨーロッパに輸出され、優雅で気品あるデザインから、王侯貴族の間で高い評価を受けました。

しかし、江戸中期(1700年代)には赤絵磁器に変わり、金・赤を使用した「金襴手様式(きんらんでようしき)」が主流となったのに加えて、オランダ東インド会社による輸出減少、江戸幕府による貿易制限などがあり、濁手の製法も一時途絶えました。

その後、12代と13代の努力により1953年に濁手の復興が果たされ、再び柿右衛門様式が蘇ったのです。

現在(2025年時点)は、15代酒井田柿右衛門が伝統を受け継ぎつつ、新たな作品を生み出しています。

酒井田柿右衛門の代表作

陶器

酒井田柿右衛門にはさまざま作品があり、どれも魅力的です。ここでは代表作である以下の5つを紹介します。

  • ・濁手花鳥文飾皿(にごしでかちょうもんしょくざら)
  • ・濁手三方割花瓶(にごしでさんぽうわりかびん)
  • ・濁手藤文花瓶(にごしでふじもんかびん)
  • ・濁手紅葉文花瓶(にごしでもみじもんかびん)
  • ・濁手桜文花瓶(にごしでさくらもんかびん)

それぞれ見ていきましょう。

濁手花鳥文飾皿(にごしでかちょうもんしょくざら)

濁手花鳥文飾皿は1700年以降、衰退していた柿右衛門を12代とともに復興に導いた偉大なる陶工13代酒井田柿右衛門の作品です。

輪花型の皿に花と鳥を組み合わせた文様が優雅に表現された珠玉の作品であり、高さ6.8cm・直径38.2cmの大皿は圧巻の迫力と美しさがあります。

柿右衛門の代名詞でもある「余白の美」を活かした魅力あふれる作品です。

濁手三方割花瓶(にごしでさんぽうわりかびん)

13代が復活させた濁手の技術を現代に引き継ぎ、技術をさらに進化させた14代柿右衛門の作品です。14代は優れた描写力と抜群のセンスによって高く評価される作品を多く生み出しました。

濁手三方割花瓶も数ある14代作品のひとつであり、乳白色の濁手素地に、苺・紅葉・桜がそれぞれ3つの面に分かれて描かれています。美しさと可愛らしさが調和したデザインが魅力です。

赤・緑・青などの配色とバランスの取れた構図が織りなす本作品は、高く評価されています。

濁手藤文花瓶(にごしでふじもんかびん)

濁手藤文花瓶は、日本の芸術作品に古くから用いられた藤の花をモチーフにした14代柿右衛門の作品です。

藤の花びら1枚1枚を繊細に描いており、乳白色の濁手素地を背景に、花の鮮やかな配色が際立っています。

藤文は人気画題の1つであり、14代の技術力に裏打ちされた本作品は、数ある柿右衛門作品のなかでも高い魅力を誇ります。

濁手紅葉文花瓶(にごしでもみじもんかびん)

人間国宝(重要無形文化財保持者)である14代酒井田柿右衛門の作品。乳白色の濁手素地に、伸びやかな筆使いで軽やかさを演出し、嫌味のないスッキリとした配色が魅力です。

緑から赤に色づく紅葉を伝統の赤絵様式で描いた本作は、柿右衛門を愛するコレクターにも高く評価されています。

寸分の狂いもなく絶妙なバランスがとれた迫力の造形に、写実的な絵付技術が光る極上作品です。

濁手桜文花瓶(にごしでさくらもんかびん)

濁手桜文花瓶も名陶工14代酒井田柿右衛門の作品です。

日本の春を象徴する桜をモチーフに高さ30.6cm・直径25.2cmの圧巻スケールで表現した花瓶は多くのコレクターを魅了しています。

伸びやかで優雅に描かれた桜は赤・青・緑の配色が絶妙で、人間国宝である14代の技術の高さを実感できるでしょう。

評価が高い歴代の酒井田柿右衛門

陶器

酒井田柿右衛門の評価は何代目の作品なのかによって異なります。例えば、以下は歴代柿右衛門の中でも特に高く評価されます。

  • ・初代
  • ・12代
  • ・14代

初代は年代が古く現存する作品が少ないことから希少性の高さが評価されています。濁手を誕生させた技術力が魅力です。

12代は13代とともに一時衰退していた濁手を復元させました。12代の作品がなければ、柿右衛門は今日まで続かず滅びていた可能性もあるでしょう。

14代酒井田柿右衛門は12代から絵と絵の具の調合を、13代からロクロの技術を学びました。

彼の魅力は柿右衛門の特徴である「余白の美」を活かした広がりや奥深さにあり、平成13年には国の重要無形文化財(いわゆる人間国宝)に認定されています。

酒井田柿右衛門の作品を見慣れない方であれば、どの品物が何代目の作品か見分けるのは至難の業です。正確な価値が知りたい方は、経験豊富な鑑定士が在籍する買取店などを利用するのがよいでしょう。

 

15代酒井田柿右衛門の評価

陶器

当代である15代酒井田柿右衛門は、2014年に襲名して以来、名窯元の伝統を継承しつつ、新たな創造性を追求しています。

構図や図案の考案を自身の最も重要な役割と位置づけ、歴代の技術を尊重しながらも、現代のライフスタイルに合わせた作品を生み出しています。

幼少期から自然と親しんだ経験は、彼の作品に豊かなインスピレーションを与えました。また、食文化への深い関心から、多様な料理に調和する器の制作にも力を注いでおり、特にヨーロッパの食文化から得た知見を作品に反映させています。

15代柿右衛門は、伝統的な「濁手」の技法を守りつつ、柿右衛門の代名詞である「赤」を一切使わない作品など、新たな色使いにも挑戦しています。

さらに、次世代への技術継承にも尽力しており、職人たちとの協力を重視し、伝統技術の保存と発展に努めているのです。

15代酒井田柿右衛門の価格

徳利

15代柿右衛門の評価は高く、高額で取引される作品があります。ここでは15代柿右衛門の主な作品の価格を紹介します。

  • 15代酒井田柿右衛門の価格

    作品名

    販売価格(税込)

    濁手苺文壷(にごしでいちごもんつぼ)

    6,050,000円

    濁手薔薇文壷(にごしでばらもんつぼ)

    6,050,000円

    濁手梅花文花瓶(にごしでばいかもんかびん)

    2,750,000円

    濁手椿文花瓶(にごしでつばきもんかびん)

    2,420,000円

    濁手苺文花瓶(にごしでいちごもんかびん)

    2,420,000円

    濁手松文花瓶(にごしでまつもんかびん)

    1,980,000円

    濁手苺文皿(にごりでいちごもんさら)

    2,420,000円

    濁手葡萄文皿(にごりでぶどうもんさら)

    2,420,000円

    濁手薔薇文皿(にごしでばらもんさら)

    1,100,000円

    濁手紅葉文香炉(にごしでもみじもんこうろ)

    1,100,000円

    濁手唐梅文香炉(にごしでからうめもんこうろ)

    660,000円

 

参考:酒井田柿右衛門|おしらせ 十五代酒井田柿右衛門展【日本橋三越本店】

15代柿右衛門の作品は壺や皿・花瓶などさまざまな種類があり、大型のものほど高額になる傾向です。

上記に示すように壺は600万円以上の高額品であり、低価格帯の香炉でも60万円以上で販売されています。

15代目本人の濁手作品は百貨店などで開催される個展や東京・大阪の直営店で購入可能です。

なお、柿右衛門窯公式オンラインショップでは15代の作品よりもリーズナブルに購入できる工房作品が販売されています。

本物の酒井田柿右衛門|本人作と工房作の見分け方

陶器

酒井田柿右衛門には歴代の柿右衛門本人の作品と、作家の名を冠した工房の職人が作った工房作があります。

本人作と工房作の見分け方は以下のとおりです。

 

本人作

工房作

共箱(ともばこ)への記載

「濁手」と記載

「錦」と記載

作品の銘(サイン)

銘なし

染付で「柿右衛門」と銘あり

上記以外にも、本人作の白地は若干クリーム色のような濁りがあり、工房作はスッキリとした白色であるとされています。

共箱や作品へのサインは13代以降のルールであり、12代以前は明確な見分け方はありません。

本人作・工房作ともに美しい作品ですが、価格は本人作のほうが10倍ほど高額です。

高価買取が期待できる酒井田柿右衛門の特徴

陶器

高価買取が期待できる酒井田柿右衛門の特徴は以下の2つです。

  • ・共箱が付属している
  • ・保存状態が良い

それぞれ解説します。

共箱が付属している

共箱とは作品専用の木箱で、作者や作品名が記されているものです。共箱が付属していれば、作品の真正性や由来が証明され、価値が一層高まります。

特に酒井田柿右衛門のような著名な作家の作品では、共箱の有無が査定額に影響するのです。共箱が付属していると再販する際にも有利となるため、高価買取が期待できます。

共箱をお持ちの方は必ず一緒に査定に出しましょう。

保存状態が良い

作品の保存状態は、買取価格を左右する重要な要素です。ヒビ・欠け・色あせ・汚れなどがない美しい品物ほど、高く評価されます。特に陶磁器の場合、表面の光沢や絵付けの鮮やかさが損なわれていないことが重要です。

査定に出すまでは柔らかい布にくるんで箱に入れ、作品を傷つけないように保管しましょう。

『買取むすび』では、ヒビや欠けがあっても査定いたします。思わぬ高値がつく場合もあるため、お気軽に無料査定をご利用ください。

酒井田柿右衛門を高く売るなら『買取むすび』へ

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酒井田柿右衛門は高く売れる可能性があります。不要な骨董品をお持ちの方は、『買取むすび』の無料査定をご利用ください。

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